白菊ほたる「恨みます、プロデューサーさん」
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23:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:25:06.80 ID:S8sM1lda0



 背後で、スタッフの一人が大きな声でお疲れ様と叫んだ。

 私は振り返って返事をする。視線を戻すと、プロデューサーさんも顔を上げていた。



「終わったのか」

「あ、はい。プロデューサーさんは、ずっとここに?」

「ああ」頷いてから、プロデューサーさんは時計で時間を確認した。

「少し時間が掛かったな」

「なかなか、うまく撮れなくて……」

「そうか……でも最後はうまく撮れたんだろ」

「……はい」



 ちゃんと待っていてくれたことになんだかほっとしたけど、別の疑問が浮かんできた。


「どうして、スタジオから出てったんですか?」

「邪魔にならないようにさ」

「でも、普通は写真の確認とか、プロデューサーもやるものじゃ……?」

「プロに任せてある。問題はないだろ」

「そう……かもしれないですけど」


 近くに居てくれたのは嬉しかったが、それならばスタジオの中で見ていてくれても良かったんじゃないか。

 なにかが引っかかるけど、その違和感をうまく言葉にできなくて。



「ご苦労様、今日は終わりだ」


 プロデューサーさんは入口まで私を送ってくれた。


 次の予定をなにかで確認することなく、空で話してくれた。しっかり覚えていてくれているけど、あくまで業務的。




 ニコリともしなかった。










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