27: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 01:06:40.48 ID:Ai+XpKnp0
「楓ちゃんはさぁ、プロデューサーがモデル部門から引っぱってきたんだよね」
「で、そのP君が私が独占しているのが気に入らない……と」
28: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 01:07:21.18 ID:Ai+XpKnp0
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「もしもし楓ちゃん?
みずきちゃ……川島さんおごってくれるって!
29: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 01:08:31.63 ID:Ai+XpKnp0
「31」
唐突に、女が言った。ひどく不機嫌そうな声だった。
「はい?」
30: ◆u2ReYOnfZaUs
2018/08/01(水) 01:10:17.57 ID:Ai+XpKnp0
「楓ちゃん、ワインを頂戴」
女があごを楓に向けた。
楓は左手でゆるく敬礼をして、新しいグラスにワインを注いだ。
31: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 01:10:44.92 ID:Ai+XpKnp0
「すいません、にわか知識で……」
「志乃さんにおしえてもらったほうがいいんじゃないの〜」
ようやく早苗が助け舟を出した。瑞樹は内心で、おそいっちゅーの、と思いながらも感謝した。
32: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 01:11:48.87 ID:Ai+XpKnp0
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「川島さん、次のライブはいつにしますか?」
レッスンの様子を見ていたプロデューサーが尋ねた。
33: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 01:12:15.03 ID:Ai+XpKnp0
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会場は、都内の小さなライブハウスだった。
346プロダクション所属、という肩書きも霞んでしまうような。
34: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 01:13:32.23 ID:Ai+XpKnp0
瑞樹は何も言わずドアを開けて、志乃と共に楽屋に入った。
中には、高垣楓がいた。
すでに衣装に着替えて、メイクも終えている。
35: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 01:14:16.70 ID:Ai+XpKnp0
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ライブハウスには気の利いた“関係者席”などなかった。
瑞樹は変装をして、観客席に紛れ込んだ。
36: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 01:14:50.83 ID:Ai+XpKnp0
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曲はバラードだった。歌詞は、ありふれた失恋の物語。
その歌が心を揺さぶる。
37: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 01:15:47.34 ID:Ai+XpKnp0
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高垣楓がステージの中心に立つ。
風が吹いている。瑞樹はそう思った。
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