34: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/08/01(水) 01:13:32.23 ID:Ai+XpKnp0
瑞樹は何も言わずドアを開けて、志乃と共に楽屋に入った。
中には、高垣楓がいた。
すでに衣装に着替えて、メイクも終えている。
「こんにちは。志乃さん、川島さん」
瑞樹は息をのんだ。
アイドルがいる、と思った。高垣楓という、正真正銘のアイドルがここにいる。
初めて出会った時、食事会の時に垣間見えた、間の抜けた愛嬌が今はなりを潜めている。
相応か、あるいは相応以上の月日を重ねて磨き上げられた美しさが、たおやかに咲いている。
「調子は?」
志乃が楓に尋ねた。
楓が答えた。
「校長みたいにぜっこーちょー……ふふっ……」
「こっちこそ。シンデレラガールも目じゃないわ」
志乃はそう言って、メイク用の鏡の前に腰掛けた。
瑞樹は言葉に表しようのない、強烈な羞恥心を覚えた。
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