2:名無しNIPPER[sage]
2018/06/16(土) 20:59:09.74 ID:5SUXe4Aj0
竜児「よし、あとは仕上げだな」
玄人たる竜児はルーを入れて満足しない。
仕上げに、たっぷりの牛乳を入れるのだ。
そうすることで、まろやかさやコクが深まる。
3:名無しNIPPER[sage]
2018/06/16(土) 21:01:20.38 ID:5SUXe4Aj0
大河「はあ〜! 美味しかった〜!」
カランと、空の皿にスプーンが置かれた。
大河はシチューを完食。おかわりまでした。
周囲には、菓子類の箱や袋が散乱している。
4:名無しNIPPER[sage]
2018/06/16(土) 21:03:58.03 ID:5SUXe4Aj0
大河「遺憾だわ」
竜児「何が遺憾だよ。あーあ、盛大に割りやがって。これからシチューやカレーを食う時、どうすんだよ。暫くは献立から消えるだろうな」
まるで人ごとのように遺憾の意を示した大河に意地の悪い嫌味を言ってやると、途端に取り乱し、慌てて縋り付いてきた。
5:名無しNIPPER[sage]
2018/06/16(土) 21:06:13.80 ID:5SUXe4Aj0
大河「ねえ、竜児」
竜児「ん? ちゃんと反省したか?」
食後、居間でのんびりテレビを眺めていた。
6:名無しNIPPER[sage]
2018/06/16(土) 21:07:53.30 ID:5SUXe4Aj0
竜児「た、大河? まさか、お前……」
大河「おっと! それ以上は言わないで!」
片手を突き出して、追及を遮る大河。
7:名無しNIPPER[sage]
2018/06/16(土) 21:09:47.15 ID:5SUXe4Aj0
大河「まさか、あんたまで……?」
竜児「……おう。そろそろ答え合わせの時間だ」
大河が抱える問題。
8:名無しNIPPER[sage]
2018/06/16(土) 21:11:26.27 ID:5SUXe4Aj0
大河「ごめんね、竜児」
ぽつりと、大河が謝罪を口にした。
何のことかわからず、竜児は首を傾げる。
すると大河は、たどたどしく説明した。
9:名無しNIPPER[sage]
2018/06/16(土) 21:13:26.13 ID:5SUXe4Aj0
大河「……は?」
竜児「本当に申し訳ないっ!!」
全てを打ち明け、土下座する竜児。
10:名無しNIPPER[sage]
2018/06/16(土) 21:15:23.89 ID:5SUXe4Aj0
大河「バケツ?」
竜児「おう。バケツ、だ」
それはどこにでもある、青色のバケツ。
11:名無しNIPPER[sage]
2018/06/16(土) 21:17:05.18 ID:5SUXe4Aj0
竜児「さあ、大河。トイレに行け」
胸元にしがみついて泣く大河を引き離す。
なるべく笑顔で送り出してやりたかった。
あまり、上手く笑えた自信はない。
12:名無しNIPPER[sage]
2018/06/16(土) 21:19:46.28 ID:5SUXe4Aj0
竜児「ほら、行けって」
問答は終わりだ。
約束の刻が差し迫っていた。
互いに限界状態の今ならば、同時に出せる筈。
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