5:名無しNIPPER[sage]
2018/06/16(土) 21:06:13.80 ID:5SUXe4Aj0
大河「ねえ、竜児」
竜児「ん? ちゃんと反省したか?」
食後、居間でのんびりテレビを眺めていた。
その間、大河は珍しく口数が少なかった。
皿を割った件を反省していると思っていた。
しかし、逢坂大河はそんな殊勝な女ではない。
大河「お皿の件は、過ぎたことよ」
竜児「お前な、少しは反省しろよ」
大河「あのね、私たちは今を生きてるの。そして今、私はとても困ったことになってるわけ」
何やら哲学的なことを言い始めた大河。
竜児はうんざりしつつも、テレビを消す。
仕方なく、話を聞こうと向かい合い、気づく。
竜児「お前、どうしたんだ?」
大河の顔色が悪い。蒼白だ。
寝起きで血糖値が下がっているのならまだしも、食後にこの顔色はあり得ない。
異変に気付いた竜児が手を伸ばすと。
大河「触らないでっ!」
さっと、その手を回避する大河。
まるでネコ科の動物のような俊敏さ。
ふざけている様子はない。必死である。
拒絶された竜児はますます心配になった。
竜児「どうしたんだよ、大河」
なるべく優しく、聞いてみた。
相手は手負いの虎だ。追い詰めてはいけない。
間合いをはかりながら、にじり寄る。
竜児が近づくと、大河は後退り。
2人の距離は、なかなか縮まらない。
大河「ち、近づかないで!」
竜児「ま、待て、落ち着け!」
ぐるるっと唸る大河を宥める。
しかし、唸り声は口から聞こえたのではない。
もう一度、耳をすますと。
ぐりゅりゅりゅうぅ〜!
それは確かに、大河の腹から、聞こえた。
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