4:名無しNIPPER[sage]
2018/06/16(土) 21:03:58.03 ID:5SUXe4Aj0
大河「遺憾だわ」
竜児「何が遺憾だよ。あーあ、盛大に割りやがって。これからシチューやカレーを食う時、どうすんだよ。暫くは献立から消えるだろうな」
まるで人ごとのように遺憾の意を示した大河に意地の悪い嫌味を言ってやると、途端に取り乱し、慌てて縋り付いてきた。
大河「シチューとカレーがなくちゃ、私は生きていけない! どうしよう、竜児!?」
竜児「そんな人間は存在しないから安心しろ」
妄言をほざく大河に正論をぶつける。
すると大河は不満げに頬を膨らませて。
それから、あっと、何かを閃いた様子。
大河「お皿が足りないなら、共有しましょ」
竜児「共有?」
大河「そ。あたしと竜児が同じお皿を使うの」
さも名案のように提案する大河。
竜児は想像してみる。皿の共有の光景を。
隣同士に座るのは、難しい。膝の上だ。
竜児の膝に座った大河に、飯を運んでやる。
すると今度は竜児の番。大河が食べさせる。
ふむふむ、なるほど。
なかなかどうして、悪くない。
たしかにそれは名案に思えた。
大河「鼻の下が伸びてるわよ?」
竜児「っ……!」
しまりのない顔を見られてしまった。
赤面して、鼻元を手で覆う竜児。
それを見て、大河はクスクス笑って。
大河「お皿を割った私に感謝しなさい」
竜児「アホ。それだけはない。反省しろ」
自己正当化した大河に辟易としながらも。
割れた皿を片付ける竜児は、次にシチューかカレーを作るその時が、楽しみだった。
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