大河「お腹が痛いんだけど」竜児「……俺もだ」
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12:名無しNIPPER[sage]
2018/06/16(土) 21:19:46.28 ID:5SUXe4Aj0
竜児「ほら、行けって」

問答は終わりだ。
約束の刻が差し迫っていた。
互いに限界状態の今ならば、同時に出せる筈。
そうすれば、他方の音に気を取られずに済む。

竜児が大河の背を押す。
大河は何歩かトイレへと進み。
何故か立ち止まり、こちらを振り向いた。

竜児「どうしたんだ?」

大河「やっぱり、あんたを置いては行けない」

この後に及んで、また聞き分けのないことを。
そうは言っても、それが逢坂大河だった。
頑固で、諦めが悪く、執念深い、肉食獣。
獲物となった竜児を、大河は捕えて離さない。

竜児「じゃあ、どうするつもりだ?」

大河「私もバケツでする」

竜児「……は?」

竜児は耳を疑った。
今、この女はなんと言った?
大河は見た目だけは、小柄で可憐な美少女だ。
たとえ中身がどう猛な虎であっても女の子だ。

それなのにバケツでするなんて、あり得ない。

竜児「だ、駄目だ。お前はトイレでしとけ」

大河「なんで?」

竜児「な、なんでもだっ!」

大河「私は竜児と一緒がいいっ!!」

じっと、大河の大きな瞳に見つめられた。
そんな風に見られると、落ち着かない。
動悸が激しくなって、顔が火照った。


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