8:名無しNIPPER[sage]
2018/06/16(土) 21:11:26.27 ID:5SUXe4Aj0
大河「ごめんね、竜児」
ぽつりと、大河が謝罪を口にした。
何のことかわからず、竜児は首を傾げる。
すると大河は、たどたどしく説明した。
大河「さっさとトイレに行けばこんなことにならなかったのに、どうしても勇気が出なくて」
竜児「勇気?」
大河「そう、勇気よ。だって、あんたの家でトイレすると、その……聞こえちゃうでしょ?」
そこまで言われて、ようやく気付いた。
何故、大河がトイレに駆け込まなかったか。
どうやら、排泄の音を気にしていたらしい。
竜児は己の甲斐性の無さを自覚して、嘆く。
このボロアパートじゃ、トイレすら出来ない。
もっと良いところで暮らせれば。
トイレも2つあるような、大きな一戸建て。
庭があるなら、そこで用を足しても構わない。
全ては、竜児の責任だった。
竜児「大河……ごめんな」
大河「ううん、あたしが悪いの」
竜児「いや、違うんだよ」
健気な大河に、これ以上隠すことは出来ない。
そもそもの、事の発端。それこそが、元凶。
竜児は深呼吸をして、便意の波を見定め。
意を決して、己の罪を、打ち明けた。
竜児「実は、夕飯のシチューに使った牛乳が……どうやら、腐っていたみたいなんだ」
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