218: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/16(木) 21:49:58.99 ID:ao9AIwU40
「あの娘は……遊び人は、どうしていますか?」
219: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/16(木) 21:50:26.69 ID:ao9AIwU40
だが、あの無類の酒好きがマスターの店にすら顔を出さないとすれば話は別だ。仮に、店で俺と鉢合わせるのすら避けたいと彼女が思ったとしよう。それでもなお我慢しきれずに、店にフラフラと飲みに来る。それが、あの遊び人という女なのだ。ましてや、半年以上も自分の意思で酒を我慢するなど天と地がひっくり返ってもありえない。そこに、第三者の介入があると推測するのはもはや必然であった。
「いえね、貴方の様子を見て、そのような気はしていたのですが、確証はありませんでしたので。こういった形になり、とんだ失礼を致しました」
220: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/16(木) 21:50:53.35 ID:ao9AIwU40
「……と、なると今日ココに来たのは正解だったかもしれません」
221:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/16(木) 21:51:20.68 ID:ao9AIwU40
ふと窓の外をみると、手持無沙汰に事務所の周りをぶらぶらとしていた炎魔将軍と目が合ってしまった。炎魔将軍は、押っ取り刀で部屋に入ってきた。
「せせせせ先代っ! 無事ですか!?」
222:名無しNIPPER[sage]
2019/05/17(金) 01:09:33.06 ID:PRrXoHHDO
乙
大方の予想を裏切ってまさかのドライ…な訳ねーか
223:名無しNIPPER[sage]
2019/05/17(金) 15:36:05.69 ID:Qj5KZLGlO
冒険が終わるかと思ってヒヤヒヤした
224: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/22(水) 21:54:09.17 ID:n2QIU6Th0
炎魔将軍が先頭に立ち、そのあとにマスター、そして俺が続く。階段を降り、大樽の間を進んでいくと背の高い円筒状の構造物が見えてきた。円筒状の先は円錐となっており、倉庫の天井を突き破りそうな勢いだ。
「ビールが何でできているかは知っているな?」
225: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/22(水) 21:54:36.54 ID:n2QIU6Th0
先ほどのやり取りからも伺い知れたが、炎魔将軍はマスターに頭が上がらないらしい。まあ、マスターは先代の魔王であるのだし当然と言えば当然か。
「ところで……麦芽ってなんだ?麦とは違うのか?」
226: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/22(水) 21:55:04.44 ID:n2QIU6Th0
「さっき言った麦の中の糖分を取り出しているんだ、当然麦芽ジュースは甘い」
227: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/22(水) 21:55:36.07 ID:n2QIU6Th0
俺のもがき苦しむさまを、二人は一頻り笑ったのち、再び通路を歩きだした。しばらく進むと、倉庫の入り口付近、パイプの伸びた大樽のあたりにたどり着いた。
228:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/05/22(水) 21:56:02.26 ID:n2QIU6Th0
ビールを飲めると聞くと、どうにも浮足立ってしまったのか俺たちは足早に応接室へと戻った。炎魔将軍に促され俺はソファに腰を下ろす、だがマスターはそれを固辞し、窓際で倉庫で働く男たちへ熱いまなざしを向けていた。
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