80:名無しNIPPER[sage]
2018/05/24(木) 20:15:35.07 ID:mhVCyQWwO
周子の一人称マダー?
81: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/26(土) 23:37:46.85 ID:k41t6Mgh0
07
調合した顆粒をカプセルに詰め、ビンに落とす。何度かそれを繰り返し、カプセルがなくなったところで大きく伸びをし、こりをほぐそうと首を振る。
締め切ったカーテンの隙間から差し込む光を視界にとらえ、とっくに日が昇っていたことを知る。時計を確認、午前10時36分。夜間に始めた作業が時間を忘れさせていたらしい。
82: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/26(土) 23:39:04.17 ID:k41t6Mgh0
部屋の主、塩見周子ちゃん。片手でドアを抑えながら困惑の表情をする。
寝癖、部屋着、裸足で玄関のスニーカーを踏んでいる。
「やっほ、上がっていいかにゃ?」
83: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/26(土) 23:41:49.48 ID:k41t6Mgh0
「周子ちゃん最近忙しかったもんねー、やっぱり労働は悪だね」
「また杏ちゃんみたいなことを」
「あたしもしばらく周子ちゃんとのんびりしてよっかにゃ〜」
84: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/26(土) 23:43:31.10 ID:k41t6Mgh0
「……まあ、自信ってな、そうやってつけるものかもね」
「あと加害恐怖の傾向があるね。強迫性障害の一種」
周子ちゃんが眉をひそめる。
85: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/26(土) 23:45:13.72 ID:k41t6Mgh0
「最初に会ったときさ、ほたるちゃん、私はアイドルなんかやっちゃいけないって言ってたんだ、みんなを不幸にするからって」
「うん」
「それでも、アイドルになりたいって言ったんだ」
86: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/26(土) 23:46:31.79 ID:k41t6Mgh0
「そいえば周子ちゃん、ごはんはどうしてる?」
「ん、寮の食堂で。あんまり大勢いるとこに行くのもなんだからね、特別に時間ずらしてもらってる」
「しっかり食べてる?」
87: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/26(土) 23:47:36.30 ID:k41t6Mgh0
――いい匂いがする。
「……んっ、じゃあたしはここらで失礼するから、それは飲まないようなら捨てちゃっていいよ。じゃーねー、鍵はかけないでいいからねー」
88: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/26(土) 23:48:35.72 ID:k41t6Mgh0
「あー、うん。少し」
「帰ったらゆっくり休みなね。志希ちゃんまで倒れたら困っちゃうよ」
「プロデューサーたち大あわてだろうね、おもしろそ〜」
89: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/26(土) 23:50:18.77 ID:k41t6Mgh0
建物の外へ。かすかに足元がふらつき、頭を振って眠気を払う。タクシーをつかまえ、帰宅。
玄関先で眠りそうになるのをこらえ、洗面所へ。手を洗い、うがいをする。
『私が、困っちゃうよ』
90: ◆ikbHUwR.fw[sage]
2018/05/26(土) 23:51:28.01 ID:k41t6Mgh0
(本日はここまでです)
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