83: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/26(土) 23:41:49.48 ID:k41t6Mgh0
「周子ちゃん最近忙しかったもんねー、やっぱり労働は悪だね」
「また杏ちゃんみたいなことを」
「あたしもしばらく周子ちゃんとのんびりしてよっかにゃ〜」
「夕美ちゃんに怒られるよ。あの子を本気で怒らせたら、辺り一面、花しか生えない焼け野原だよ」
「興味深い土壌だね。怒らせたことあるの?」
「ないけどさ」
流暢な会話。娯楽にふけった形跡なし、退屈していた。ひたすらの睡眠。一刻も早く病状を回復させようとしていた。
「そういえばねー、なんと周子ちゃんの代わりにほたるちゃんが出ることになったのだ」
「ほたるちゃん? どういう成り行きで?」
「うちのアイドルで代役のオーディションを開いてねー」
「へえ、オーディション? 誰が審査したん?」
「あたしと夕美ちゃんと、プロデューサー軍団」
「えー、ひとが寝込んでるあいだに面白そうなことやんないでよ。あたしも審査したかったわ」
「周子ちゃんいたらオーディションの必要ないでしょ」
「そらそうだ。……そっか、ほたるちゃんか」
微笑、どこか遠くを見るような目。罪悪感、ある程度解消。
「志希ちゃんは、ほたるちゃんのことどう思った?」
「ひかえめ、というより、自己評価がやたら低いね」
「あー……たしかにそうかも」
「こないだ3人でレッスンしたんだけどね、あれだけできるならフツーもっと自信持ってるものだよ」
「それ、志希ちゃんが折ったんじゃあるまいか」
「いや、ほたるちゃんもぜんぜん悪くなかったよ。他人の曲であれだけできれば大したもの、だけど本人はそう思っていない」
「うーん、志希ちゃんは、なんでだと思う?」
「他人から認められた経験に乏しいから、かにゃ」
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