84: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/26(土) 23:43:31.10 ID:k41t6Mgh0
「……まあ、自信ってな、そうやってつけるものかもね」
「あと加害恐怖の傾向があるね。強迫性障害の一種」
周子ちゃんが眉をひそめる。
「それは、病気?」
「メンタル関係はまだまだ研究が進んでなくてね、病気かどうかの区別なんてのは、名前が付いてるか付いてないかぐらいでしかない。そういった意味では病気になるかな」
「で、ほたるちゃんがそれだって?」
「あくまで傾向。検査でわかるようなものじゃないし、この手のものは明確な指標とゆーものがないから、確実に正確な診断なんてのは、お医者さんでもできない」
「でも強迫性ナントカってのは、ようは思い込みなんだよね。ほたるちゃんの不運は本物だよ」
「本人にとっては同じだよ。思い込みのほうも本物だって思ってるんだから」
「それもそうか。治療とかできるん?」
「投薬である程度の効果は見込めると思う。ただし、効いてるあいだだけだね。思い込みなら、その間に思い込みを解消できれば、今度はお薬を減らしていって最後は要らなくなる。だけどほたるちゃんは本物だから、それだけじゃ本人の認識の変化は望めない」
「じゃあ、体質のほうをなんとかできなきゃどうにもならない?」
「そーゆーわけでもない。他人を巻き込もうが気にしなければいいわけだし」
「それは……ちょっとほたるちゃんには難しいかなー」
「程度の問題だよ。あの子は気にしすぎ。他人にメーワクってんなら、あたしのほうがよっぽどかけてるのにね?」
「せやね」
迷いのない肯定。その遠慮のなさを心地よく感じる。
「周子ちゃんは、前からほたるちゃん気にかけてるよね」
周子ちゃんの目を見ながら言う。
「どうして?」
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