86: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/26(土) 23:46:31.79 ID:k41t6Mgh0
「そいえば周子ちゃん、ごはんはどうしてる?」
「ん、寮の食堂で。あんまり大勢いるとこに行くのもなんだからね、特別に時間ずらしてもらってる」
「しっかり食べてる?」
「あんまり食欲ないから、しっかりは食べてないかなー」
「そかそか、それはよかった」
「いや、ええんかい」
「いいんだよー、胃腸が弱ってるときはそれが正しい」
しばしの雑談を交わすうち、周子ちゃんがコンコンと咳込む。乾性咳嗽。
エネルギーの消費と、嘔吐神経の刺激。
「んー、咳、ひどい?」
「少しね」
「咳しすぎると吐きやすくなっちゃうから、ひどいようなら咳止め飲んだ方がいいんだけど」
「いや、そこまでじゃないよ。たまに、忘れたころにくるぐらい」
「ふんふん……だったら咳止めはいいかな。それはさておき、これプレゼントね。志希ちゃん特製だよ」
バッグからカプセル入りのビンを取り出し、手渡す。
徹夜の成果、海藻類を原料にした特殊カプセル、胃腸への負担の軽減。
「んー、風邪薬? 10個ぐらいあるね」
ビタミン剤、と告げる。
周子ちゃんがいぶかしげにビンを持ち上げ、カラカラと鳴らす。
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