101:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:31:54.65 ID:A6rjc17z0
電車に揺られ、駅を出て国道沿いに歩みを進めると――。
――何度来ても、大きな事務所です。
102:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:34:30.60 ID:A6rjc17z0
08A会議室――ここかしら。
引き戸が開いていたので、そっと中を覗くと――。
103:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:37:53.91 ID:A6rjc17z0
私達の事務所と、この人の事務所の、ライブ対決。
その勝った方にのみ、346プロへの編入を正式に認める。
104:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:41:54.39 ID:A6rjc17z0
「……弊社が、ですか?」
話の意図が分からず、キョトンとした顔をするしかない私に、その男の人は手を振りました。
「だからさぁー! 分かんない?
身の程を弁えた方が、って話ですよ。オタクも子供じゃないんだからそれくらい察してほしいけどなぁ。
105:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:45:21.89 ID:A6rjc17z0
「はぁぁぁ!? 何そいつ、やっぱ俺も行った方が良かったな」
レッスンが終わった後、ほたるちゃんと一緒に事務所に戻り、その事を話すと、プロデューサーさんは分かりやすく憤慨しました。
「俺だったらそんな野郎、ボッコボコのケチョンケチョンのパーにしてやったのによ」
106:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:48:19.13 ID:A6rjc17z0
「彼の言う通りだ」
事務員さんがゲロちゃんを差し出して、プロデューサーさんが百円を入れました。
「我々が考える事は一つ。
白菊君のステージを成功させる事だけだ。結果なんて後からついてくる」
107:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:50:56.38 ID:A6rjc17z0
「ほたるちゃん」
すっかりハの字になった眉で、今にも泣き出しそうな顔をほたるちゃんは私に向けます。
「美優さん……」
108:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:53:50.97 ID:A6rjc17z0
「…………はい」
ほたるちゃんは、弱々しく頷きました。
観念したような――前向きな返答のはずなのに、何かを諦めたかのようでもありました。
109:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:57:22.23 ID:A6rjc17z0
フェス当日まで、あと三週間を切りました。
トレーナーさんの指導にも熱が入ります。
110:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:59:37.98 ID:A6rjc17z0
塞ぎ込みがちになってしまったほたるちゃんのため、私とプロデューサーさんはある決断をします。
それは、苛烈な猛特訓をほたるちゃんに課し、悩む隙を与えないというものでした。
「いささか酷だが、多少の荒療治をしないと、今のほたるちゃんの思考はそう簡単に改善しないと思う。
111:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 20:01:20.84 ID:A6rjc17z0
ふと、トレーナーさんと目が合いました。
彼女は、真剣な眼差しを私に真っ直ぐ向け、黙って頷いています。
やがて、それをほたるちゃんに戻しました。
226Res/193.03 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20