【ミリマスSS】千早「重なった鼓動と、新しいスタート」
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1: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:00:16.35 ID:6Xf+W2fS0

ずっと私は過去に縛られてきた。幼い過去に背負ってしまった罪、その罪を償うために歌を歌うことだけに生きてきた。

歌っても歌っても、私を縛る鎖はきつく私の肉体を締め上げていった。やがて、その締め上げられた部分から血が流れ始めた。

それでも私は歌い続けた。それしか罪を償う方法が思いつかなかったから。そのまま朽ちても構わないと、ただ愚直に歌を歌い続けた。

しかし、大切な仲間と出会って、共に歩いて、私はその過去から解放された。仲間が私に、自分を縛り続けた鎖を断ち切るだけの勇気をくれた。

そこから私の歌は劇的に変わった。縛り上げられた喉から祈りを絞り出すような歌が、柔らかい朗らかな歌へと変わっていった。

 

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2: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:03:21.55 ID:6Xf+W2fS0

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レコーディングスタジオ
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以下略 AAS



3: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:05:23.77 ID:6Xf+W2fS0

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765プロ 事務所
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以下略 AAS



4: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:06:26.59 ID:6Xf+W2fS0

私はもう新人ではない。私の歌を聞いた全ての人が、ポジティブな関心を寄せることなどないことを知っている。

誹謗中傷めいた反応も少ない数あって、できる限りそれが私の目に触れないようにプロデューサーや音無さんが守ってくれていることも知っている。

以下略 AAS



5: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:07:46.96 ID:6Xf+W2fS0

なるほど。これは確かに2人があんな顔をした理由がわかる。ネガティブな気持ちが顔に出てしまっていたのだろうか、プロデューサーが私に言葉をかける。

P「...千早の歌は変わったよ。でも、俺は凄く良い方向に変わったと思う。前までの歌は他の歌手にはない胸を刺す鋭さがあったけど、あまりに鋭すぎて悲しくなることもあったから」

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6: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:09:03.89 ID:6Xf+W2fS0

天井をぼーっと見つめて考え事をする。

あの手紙は、私の抱え始めていた曖昧な疑念を文字にして、明確にしたようだった。

以下略 AAS



7: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:10:26.95 ID:6Xf+W2fS0

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765プロシアター
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以下略 AAS



8: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:11:20.61 ID:6Xf+W2fS0

P「というわけで、これが新曲の楽譜だ」

プロデューサーから新曲の説明があり、デモデータと楽譜を受け取った。

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9: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:12:23.46 ID:6Xf+W2fS0

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765プロシアター
レッスンルーム
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以下略 AAS



10: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:13:11.18 ID:6Xf+W2fS0

適切な言葉を探して思考を巡らせていると、凛とした最上さんの声がそれを遮った。

静香「私、かなり生意気なことを言います。ごめんなさい」

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11: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:13:51.72 ID:6Xf+W2fS0

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765プロ事務所
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以下略 AAS



12: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:14:32.18 ID:6Xf+W2fS0

一通り歌い終えて目を開けると、見慣れたリボンの女の子が満面の笑みで立っていた。

千早「えっと...いつからそこにいたの、春香?」

以下略 AAS



13: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:15:15.96 ID:6Xf+W2fS0

その言葉に息が一つ漏れる。私が壁に直面していたこと、春香には相談していなかったのだけど、やっぱり彼女にはお見通しだったみたいだ。無理もない、それだけ春香とは共に月日を積み重ねてきたのだから。

そんな春香にだから、包み隠さず今の気持ちを話してみようと思った。

以下略 AAS



14: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:15:52.28 ID:6Xf+W2fS0

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765プロシアター
定例公演
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15: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:16:59.43 ID:6Xf+W2fS0

そしてステージが始まった。イントロの後、最上さんが歌い始める。

それを聞いた瞬間、ブルっと身体が震えた。凄い。音声データで聞いた時よりも、鋭さも激しさも増している。彼女がどれだけこのステージに想いを込めたか、ダイレクトに伝わる。

以下略 AAS



16: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:18:02.88 ID:6Xf+W2fS0

自分の負けず嫌いを自覚した瞬間、心に灯りかけていた炎が、激しい音を立てて燃え上がった。

かつての轟々と燃える赤い炎ではなく、静かに熱く燃える蒼い炎。

以下略 AAS



17: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:18:52.21 ID:6Xf+W2fS0

ドクンドクンと私と最上さんの鼓動が共鳴する。感情が混ざり合うような感覚。その鼓動を聞いて、私は理解する。

激しい怒り。どうしようもない閉塞感。時計の針が耳に刺さる焦燥感。

以下略 AAS



18: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:20:11.21 ID:6Xf+W2fS0

そして曲は最後の一音に差し掛かった。私も最上さんも、遠く長くそれを響かせる。このひと時が終わってしまうのを惜しむように。

曲は終わり、一瞬の静寂の後、会場が割れるような拍手の波が私たちを讃えてくれた。

以下略 AAS



19: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:21:14.26 ID:6Xf+W2fS0

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765プロシアター
屋上
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以下略 AAS



20: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:22:02.33 ID:6Xf+W2fS0

夢を見て、それを叶えようとした瞬間、鎖に縛られることが決まっていた彼女。夢を夢のままで終わらせていれば、そんな痛みも悲しみも感じなかっただろう。

でも、彼女は笑ってみせた。きちんと時計の針を進めて、未来へまっすぐ歩くという決意が、その表情から伝わった。

以下略 AAS



21: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:24:44.98 ID:6Xf+W2fS0

最上さんは『はい』と小さく返事をした後、うーんと考えるような素振りを見せた。

もごもごと逡巡した後、頰を赤らめて上ずった声で言った。

以下略 AAS



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