【ミリマスSS】千早「重なった鼓動と、新しいスタート」
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13: ◆uYNNmHkuwIgM
2018/02/25(日) 00:15:15.96 ID:6Xf+W2fS0

その言葉に息が一つ漏れる。私が壁に直面していたこと、春香には相談していなかったのだけど、やっぱり彼女にはお見通しだったみたいだ。無理もない、それだけ春香とは共に月日を積み重ねてきたのだから。

そんな春香にだから、包み隠さず今の気持ちを話してみようと思った。

千早「最上さんとデュエットを歌うことになって、改めて気がついた。私はまだまだ途上なんだって」

千早「私の方が先輩なのに、彼女から学ぶことの方が多くて」

本来なら先輩として最上さんを引っ張らないといけない立場なのに、壁にぶつかっていた私を最上さんが導いてくれた。これじゃ、どちらが先に立っているかわからない。

春香「うん、そうだね。私も未来ちゃんとデュエットしてみて、同じ気持ちになったよ」

春香の表情が少し変わる。何かを赦すような、励ますような笑顔。

春香「私は未来ちゃんより少しだけ前を歩いてるから、いいとこ見せなくちゃなんて張り切ってたんだ」

春香「いろいろと教えてあげられたこともあったと思うけど、教えてあげた分だけたくさん自分に足りないものも見えてきて、なんだかなーって思っちゃったんだ」

春香はそこまで言葉をつなげて、一呼吸を置く。胸の前でぎゅっと両手を握って、まっすぐ前を向いて嬉しそうに言った。

春香「でも嬉しいよね。それって、まだまだ成長できるってことだもん」


すーっと心地よい風が吹き抜けた気がした。春香は同じ状況をそんな風に捉えるんだ。とても素敵だと思う。

ネガティブな私では、到底そんな考えには至らなかっただろう。春香の言葉が、自分自身を赦す勇気をくれた気がした。

千早「そうね、私もそう思いたい。そのために、私の全力でこの歌に、最上さんに臨もうと思う。ありがとう、春香」

まっすぐな気持ちで礼を言うと、春香はえへへとひとつ照れ笑いをした。

 


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