追われてます!'
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35:名無しNIPPER[sage]
2018/02/23(金) 23:19:40.74 ID:JiYpHUFw0
続き楽しみに待ってます。部長も奈雨もかわいい(小並感)


36:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 02:43:39.12 ID:XJms5aKo0

【答え】

 部室を出て廊下を歩きながら、小さくため息をついた。
 ひとけのないひんやりとした空気が、今の自分には妙に心地がいい。
以下略 AAS



37:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 02:44:56.88 ID:XJms5aKo0

 階段を降り、渡り廊下から校門へと抜ける。家の前まで至って、明かりが灯っているか確認する。……点いていない。
 見上げた先──二階にもカーテンの隙間から漏れる光は確認できない。

 家の中に入る。リビングの電気を点けようとスイッチに手をかけると、静かな室内にすうすうと寝息のような音が響いていることに気付く。
以下略 AAS



38:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 02:45:40.60 ID:XJms5aKo0

「なんか飲むか、身体冷えてるだろ」

 確認をとらずにキッチンに移動して、電気ポットに水を入れる。
 洗い物が外に出されていないから、今日は料理をしていないか、もしくは何も食べていないのだろう。ミルクティーの粉末袋を捨てる際に開けたゴミ箱の中には、やはり何一つとして物が入っていなかった。
以下略 AAS



39:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 02:47:02.59 ID:XJms5aKo0

「そんなには」と答える。思った通りに、彼女はほっと胸をなでおろす。

 あの行為にあまり怒っていなかったのは本当で──それ以前の奈雨への態度には思うところがあったけれど──佑希自身が内省すべきことで俺が咎めることではない。

以下略 AAS



40:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 02:47:51.58 ID:XJms5aKo0

「見てて嫌だからやめてほしいって思うなら、おまえが伝わらないと思う相手じゃなく、最初から俺に直接言えばいい」

 手を繋いだ状態でリビングに入ってきたことだけに腹を立てたとは考えられない。とすると、あれ以前から佑希は奈雨に苛立っていた。
 つまり奈雨に怒りをぶつけられれば、きっかけは何でもよかったに違いない。
以下略 AAS



41:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 02:48:54.56 ID:XJms5aKo0

「……嘘でしょ。どうせ、そうに決まってる」

 自分に言い聞かせるように、彼女は俺の返答を待たずに、

以下略 AAS



42:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 02:50:08.01 ID:XJms5aKo0

 でも、実際目の当たりにしてみると、身勝手に泣いているとは思えなかった。
 佑希はいつも誤魔化したり言い繕ったりはするけれど、表情は一度も嘘をつけていなかった。

 それに、俺が、俺を含めた他人が遠因となっているのは確かで、
以下略 AAS



43:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 02:51:06.70 ID:XJms5aKo0

 返す言葉に窮していると、彼女はすっと立ち上がる。
 向かう先はすぐ近く。俺の背後に回り、肩に軽く体重をかけられる。

「つらいことがあったら、慰めてくれる。今みたいに、頭を撫でてくれる。
以下略 AAS



44:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 02:52:13.33 ID:XJms5aKo0

「きっと知らなくたって、……結局そうなってたんだと思う。
 だって、おにいみたいな人、他にいるわけないから」

 肩に置かれていた手が、ゆっくりと椅子の笠木へと移動する。
以下略 AAS



45:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 02:52:51.41 ID:XJms5aKo0

「おにいが同じ高校を受けるって聞いたとき、すごく嬉しかったんだ。
 昔みたいに、なってくれるんじゃないかって。あたしが奪っちゃったものを、もう一度取り戻してくれるんじゃないかって」

 もしそうだったら、と彼女は消え入りそうな声で、続ける。
以下略 AAS



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