追われてます!'
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41:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 02:48:54.56 ID:XJms5aKo0

「……嘘でしょ。どうせ、そうに決まってる」

 自分に言い聞かせるように、彼女は俺の返答を待たずに、

「奈雨が、悪いんじゃん。あたしだって、同じはずなのに、ずっとずっと我慢してるのに」

 要領の得ない言葉が続く。
 佑希の表情は、どんどん縋るようなものへと変わっていく。

「べつに、奈雨が、とか……お父さんがとか、お母さんがとか、
 そういうことじゃなくて、あたしはそうじゃないんだって、だから、それは仕方ないって、でも……」

 奈雨、父さん、母さん。奈雨と母さんはわかるとして、……いや、全くわからないけれど、どうして全く関係ないはずの父さんが話に出てくるんだ?

 何の話を、と言いかけたが、それはすぐに遮られる。
 彼女の目尻から、一筋の雫が、頬を伝うように流れていく。

「……だって、こうでもしないと……いらないって、言われてるみたいで、あたしだけの場所まで、何も失くなって」

 両手で自分の肩を抱いて、すんと鼻を鳴らす。

 意味がわからないからちゃんと話せ、と冷静に言えればよかったのかもしれない。現にそういう事態に陥ったらそうしようとも考えていた。




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