追われてます!'
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38:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 02:45:40.60 ID:XJms5aKo0

「なんか飲むか、身体冷えてるだろ」

 確認をとらずにキッチンに移動して、電気ポットに水を入れる。
 洗い物が外に出されていないから、今日は料理をしていないか、もしくは何も食べていないのだろう。ミルクティーの粉末袋を捨てる際に開けたゴミ箱の中には、やはり何一つとして物が入っていなかった。

 俯いたままの佑希を横目に、数分で沸いたお湯をマグカップに注ぐ。
 琺瑯のティースプーンでかき混ぜ、表面の泡立ちが収まるのを待って、佑希の前に置いた。

「いらない?」

「……ううん。いる」

 対面の椅子に腰を下ろす。何度か息を吹きかけて冷ましてから自分のカップに口をつける。
 背中側の棚に掛けっぱなしになっていたひざ掛けを手渡すと、彼女は納得しかねるといった顔で、「どうして」と零した。

「……怒ってないの?」

「何を?」

「この前の、……あたしが、奈雨にしたこと」

 目からは、少しの怯えが窺える。
 なんとなく、というよりいつものことだから、こうなるだろうとは考えていた。




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