39:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 02:47:02.59 ID:XJms5aKo0
「そんなには」と答える。思った通りに、彼女はほっと胸をなでおろす。
あの行為にあまり怒っていなかったのは本当で──それ以前の奈雨への態度には思うところがあったけれど──佑希自身が内省すべきことで俺が咎めることではない。
けれど、今日ばかりはここで終わらせてはいけない。
悪い意味でのいつも通りを終わらせるためには、ここで明確に"否定"しなければならない。
ようやくカップに口をつけた彼女の表情は、ことさら明るく目に映る。
優しい言葉を掛けると、決まってそういう表情をされる。それで、俺は続く言葉を言いくるめられてしまう。
だから、「でもな」と呑み込まれないうちに否定に入る。
「怒ってないわけじゃない」
「……」
「何か気に障ることをされても、手を出していい理由にはならない。
奈雨の対応も棘があったとは思うけど、別にそこまでおまえを怒らせるものではなかった」
彼女の思考なんて全くわからない。
……わからないから、彼女の側に立って予想する。それでは、また間違ってしまう。
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