37:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 02:44:56.88 ID:XJms5aKo0
階段を降り、渡り廊下から校門へと抜ける。家の前まで至って、明かりが灯っているか確認する。……点いていない。
見上げた先──二階にもカーテンの隙間から漏れる光は確認できない。
家の中に入る。リビングの電気を点けようとスイッチに手をかけると、静かな室内にすうすうと寝息のような音が響いていることに気付く。
佑希はテーブルに上半身うつ伏せになって寝ていた。風呂上がりらしい薄着で、手にはぎゅっとスマホが握られている。
少し悪いと思いつつも、明かりを点けてから彼女の身体を揺する。
数秒して、とろんとした目をごしごし擦りながら、視線をこちらに上向ける。
「あ、おにい。おかえ──」
言い終える前に、はっとした表情で口元に手をやり目を伏せる。
立ち上がる素振りは見て取れないけれど、このままいてはすぐに逃げられてしまいそうだ。
「ただいま」
できるだけ優しい声音で言うと、佑希はびくっと肩を跳ねさせる。
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