98:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 00:03:40.97 ID:GJMDUn0X0
「俺は森久保がアイドルになれると思った日からずっと、森久保を見てきた。
思い出してみろ。ラジオの収録、服の撮影、いろいろなことを経験し、それを乗り越えてきたじゃないか」
「それは嫌々。森久保がやらないと他の人に、ひいては自分に迷惑がかかると思ったからやっただけで」
99:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 00:04:17.34 ID:GJMDUn0X0
プロデューサーさんは私を信じている。
心の中で繰り返し、呟きました。
100:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 00:05:48.20 ID:GJMDUn0X0
新人アイドルのステージといっても、合同のライブ企画ですので、お客さんの数はなかなかの規模でした。
赤、青、黄色、たくさんの数のサイリウムが私の目の前で揺れています。
101:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 00:07:00.66 ID:GJMDUn0X0
イントロの中で、私はこの曲のある場面のことを思い出しました。
この曲は前半と後半に一度ずつ、ウィンクを飛ばすシーンがあるのです。
私はウィンクをどこに飛ばせばいいのでしょう。
102:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 00:08:01.50 ID:GJMDUn0X0
私はウィンクをどこに飛ばせばいいのでしょう。
じゃがいも、じゃがいも、ウィンク、ウィンク、と心の中で繰り返し、唱えました。
103:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 00:08:59.07 ID:GJMDUn0X0
目を覚ますと白の天井。
会場に設けられた医務室のようで、横にはプロデューサーさんが座っていました。
プロデューサーさんは、私が倒れた後のことを淡々と話しました。
104:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 00:58:41.61 ID:GJMDUn0X0
私は、廃人のような生活を送るようになりました。
一日の大半を寝て過ごし、起きている間は本を読み、
人が少ない時間を見計らって、ピアスをつけ、食堂でご飯を食べました。
105:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 01:00:01.47 ID:GJMDUn0X0
私が隠居生活を始めてから一週間が経ったときでした。
微睡の中、ピンポーンとチャイムの音が聞こえてきたので、
何事かと目を擦りながら、それでも用心して扉を開くと、そこにはプロデューサーさんが立っていました。
106:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 01:01:26.88 ID:GJMDUn0X0
「それは森久保にアイドルを辞める手続きとかをさせるからですか?」
本心でした。プロデューサーさんは、まさかと笑い、
107:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 01:03:29.14 ID:GJMDUn0X0
私は急いで顔を洗い、服を着替え、ピアスをつけ、部屋を出ました。
久しぶりにつけるピアスはひんやりとしていて、相変わらずずしりと響きました。
車の中で、プロデューサーさんは、
108:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 01:04:52.32 ID:GJMDUn0X0
事務所につくと、無関心だったはずの世間は久しぶりの私の登場に、目を向け、
「元気だった?」「心配していたの」と声をかけてきたので、逃げるように机の下へと向かいました。
横には変わらず、キノコさんが住んでいて、
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