六花「勇太をなんとしてでも独占したい!」
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34: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:06:30.99 ID:6rZ5mY140
でも現実世界のみんなも、みんなみんな大好きだし、尊敬している。
甘えた声とは裏腹に厳しいけど相談にのってくれる丹生谷。
いつも寝てばっかだけど誰もが困ったときはいいアドバイスをしてくれるくみん先輩。
髪がいつも暴れるけど部活が楽しいと思えるし本音を純粋に訴えたかわいいだけじゃない凸守。
明るく笑っては時々我慢するけど人生の生きる意味の良さを初めてくれた俺の恩師の七宮。
以下略 AAS



35: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:07:10.18 ID:6rZ5mY140
太ももに重心がかかる!張り裂けそう!一歩ずつ踏むのが遅くなる!でもこれを超えたらその先は……!そう思うと。
踏まずにはいられない!
先程よりは遅くなったが、ハンドルを右左に大きくかじを取ってはその振動でタイヤを少しだけでも前に出す!1回、2回、3回!
目の前の景色がアスファルト斜面になったが、それも不安になるので上を見てそれを癒す。でも進んでいないという落差に絶望が入り込む。
地面と顔の距離が近くなりぶつかりそうだ。
以下略 AAS



36: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:07:56.91 ID:6rZ5mY140
あ、六花の携帯が!……でもわざわざここまで来たのに、話し合いもいっぱいやることあるのに道が分かりませんでした、なんて言えるわけがない!信頼崩壊だ。六花の失望する顔が見たくない!邪魔なプライド云々関係なく六花の泣き顔を想像したくない!嫌だ!
何かヒントがあるはずだ!左右の橋を大きく首を振って確かめる。あのころ……、確か石造りで、今いるここほど巨大ではなく、また橋の上に何かかっているわけでもない。地面が普通のアーチ傾斜だったな。降りるときの大きかった緑色の看板が目印。あと坂道が有利ってことか。
緑は暗すぎて分からない。橋を見る。あたりは暗いしちかちか光っている右の横1番目は絶対ないな。左4番目は長さが違う。左2番目はアーチの盛り上がりがないな。確か傾斜感じたはず。右最奥の4番目は橋の上に架かっている除外。あの右2番目の橋は。あ。ちょうど電車がガタンゴトン鳴らして橋を通過した……だからなしか。電車に乗っている安全な彼らがうらやましい。左1番目は、勘だがないだろう。以前と違う気がする。
となると、左3番目、右3番目が候補か……。結構遠いぞ。何かないか目印。何かさっきの電車みたいに助けが……こない。待っても状況は変わらない。望遠鏡があったら看板分かったかもしれないのに!
遠いぞ。しかも行って戻ってくるって、そんな体力は使い果たした。バイクだったら違ったのに。それに時間が……。確実にオーバーする。俺達の今後に支障をきたすのだけは絶対避けたい。ダイスは1回しか振れない。だが間違った全てが終わりだ。
以下略 AAS



37: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:09:05.17 ID:6rZ5mY140
勇太「六花。元気が湧いてきた。ありがとう」
六花「なにより」
勇太「しっかりつかまっててほしい」
六花「うん。 あの、ゆうた……」
勇太「ん?」
以下略 AAS



38: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:09:39.11 ID:6rZ5mY140
誰もいない。
先のぼやけて見えない真っ暗な夜。
郊外すら超えて。
アスファルトだけどその周りは。
見渡す限り畑だらけ。
以下略 AAS



39: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:10:15.74 ID:6rZ5mY140
少し立って休んだあと、気分もリターンしたし行くか。
あの場所へ。
六花「ねえ」
六花は腕を震わせてオレンジの柵を指差す。
勇太「うん。そうだよ」
以下略 AAS



40: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:10:58.99 ID:6rZ5mY140
夜の道を歩く。異次元の狭間にある、立入禁止の先へ。
崖でも崩れているかと思ったらそうでもないらしくこの一本道の道路を歩くには支障はなかった初めては。だから今回も大丈夫だろう。
六花は俺の後ろで左右をちらちら見ながら震えたような顔をしているので、抱こうとすると平気と言われた。せっかくのデートっていうのに……こんな不便な場所に案内した俺が悪いけど。
長い道の中を左右の草木が分ける。葉のちぎれる音が俺たちの踏み歩いた軌道だ。
風に揺られて多数の木がカサカサ静かに音を立て、蒼い道を枝型に黒く塗る影も変化している。
以下略 AAS



41: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:11:56.12 ID:6rZ5mY140
第5話 「Vanishment This World !」

勇太「ここ綺麗だな」
六花「……」
俺は来てすぐ話し合うのもあれだと、良心と、ここを見せたかった自慢心と、現実逃避の逃げ心に駆られて、六花と並んで静かな夜の崖の先を堪能した。
以下略 AAS



42: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:12:33.64 ID:6rZ5mY140
勇太「えっ……?」

予想外だった。愛し合う二人だったら、その質問といえば将来のこと、数学の問題のできなさから大学入試に受からないこと。大人になってからどうするかということ。そういう類のことならとっくに準備はできていた。六花は突き詰めれば今日の不審もこの根幹から来ているのだ、と全く正解だと言ったら胃がもやもやしていたが、とにかく回答をする予定だった。俺達で支え合って例えきつくても乗り越えて物語を築いていこう。きれいごとでしか解決できないけどそうするしかないって思ってた。理想の崩れた今、理解不能な現象に拍子を抜かれている。
でも、死ぬってなんだよ。しかも俺が。

以下略 AAS



43: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:13:17.49 ID:6rZ5mY140
アイデアが枯渇してしばらく無言になる。読み探り合い、睨み付け合いが胃を苦しくする。こいつ何隠しているんじゃないかって。俺を騙してどっかに行きそうで、怖いんだ。
すると六花が突如幕を切った。
六花「もう、この話終わりにしよう。苦しいだけ」
勇太「なんだと……。苦しくなんかあるか!頑張ってここまで来てるじゃんか!」
六花「でも、これ以上言ったら。これ以上言ったら……あぁ」
以下略 AAS



44: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:13:54.05 ID:6rZ5mY140
そのぽっかりと空いた夜空にスライドして焦燥と不安が俺を襲う。大丈夫だよな……。
六花「空」
んっ?
六花「大きい」
勇太「うん」
以下略 AAS



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