六花「勇太をなんとしてでも独占したい!」
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35: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:07:10.18 ID:6rZ5mY140
太ももに重心がかかる!張り裂けそう!一歩ずつ踏むのが遅くなる!でもこれを超えたらその先は……!そう思うと。
踏まずにはいられない!
先程よりは遅くなったが、ハンドルを右左に大きくかじを取ってはその振動でタイヤを少しだけでも前に出す!1回、2回、3回!
目の前の景色がアスファルト斜面になったが、それも不安になるので上を見てそれを癒す。でも進んでいないという落差に絶望が入り込む。
地面と顔の距離が近くなりぶつかりそうだ。
あと半分!
1,2,3!
もうちょっと!
ぐっ……ぐぐっ……。
上の信号機まであと一歩!
いっけえーーーー!!

ぐるし……。はぁ…….はぁ……。

アスファルトの檻から抜け、目の前の景色は橋と、横を見れば川と山を映す、真っ暗だった。星空と月が感謝の労いか明るく輝いていて奇麗だった。
横からくる新しい風が心地いい。
建物もない、電柱もない、盛り上がった見晴らし良い、自由な道路。
ついた。
ついた!
ついたぞーーーーーーー!!!!

はぁ…….はぁ…..。六花に悟られないよう小さく疲れた呼吸をし、歓喜を心の底へしまう。でも背中の大きな揺れ動きで分かっているのが恥ずかしい。
信号機を超えた。

俺達は信号機の先にあるまっすぐにのびるその橋の真ん中へと自転車のカタカタをいわせた。

橋の道路の見えない真っ暗を唯一自転車のライトが照らしているのが救いだ。
真っ暗だけど美しい山や川の景色を堪能する。
いよいよか……。

あれ……?

ない

ない!

ない!!!!!!

橋が ない!!!!!!!!!!!


俺は左右の橋を確認した。やっぱりない。正確にはそれらしいあの橋が分からない。確かに以前行ったときと同じ川だと大きさで分かるし標識で見た。
でもこの真っ暗闇の暗さで左に3本、右に4本あるなんて聞いてないぞ!!それもあんな遠くに!!!
俺達は今左側の道路にいるがそんなの関係ない。
以前を考えよう。前行ったときは、あてずっぽうでたまたまあの橋の下り坂のほうが行くのが楽だと思って、その橋だけを渡って、そのことだけ考えてた。
あ…….。ミスった。
分からない!!道先が!これじゃどの橋に曲がればいいか分からない!!
そうだ!グーグルに聞いて……。やばい、しまった。
家に置いて来ちゃったあーーーー!!
心の中で叫ぶ俺。見透かされないよう平静を背負う俺。
どうしよう……。どうしよう!どうしよう!!


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