六花「勇太をなんとしてでも独占したい!」
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34: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:06:30.99 ID:6rZ5mY140
でも現実世界のみんなも、みんなみんな大好きだし、尊敬している。
甘えた声とは裏腹に厳しいけど相談にのってくれる丹生谷。
いつも寝てばっかだけど誰もが困ったときはいいアドバイスをしてくれるくみん先輩。
髪がいつも暴れるけど部活が楽しいと思えるし本音を純粋に訴えたかわいいだけじゃない凸守。
明るく笑っては時々我慢するけど人生の生きる意味の良さを初めてくれた俺の恩師の七宮。
そして……。中二病でバカでトラブルにあっても、笑って、怒って、泣いて、一緒に解決して……、そんな姿が大好きで……、永遠に一緒にいてほしいと思える、六花……!
毎日が楽しかった……!
みんななしではここまでこれなかった。みんなの助けがあって登ってこれた。
みんなの明るい元気な顔が、この真夜空に一人一人フラッシュに映っていく。
嬉しいな。
これが夢なら、もう醒めてしまいそうだ。
俺は多くの人に支えられて幸せだった。
この広大な夜空を見てそう思うよ。
ありがとう。大人になっても忘れない。
いつかみんなにまた会いたい。
やがては恩を返せる大人になりたいな。
皆も、この町も、そしてこの町の人達も、
みんなに支えられて……。
みんな、
みんな……、
……。
大好きだーー!!!


漕いでいる。ずっと。もうずっと。だんだん漕いでいるのが自分であることすら分からなくなった。
はぁ…….はぁ……はぁ…….。きつい。
段々スピードが落ちてきた。もう何分漕いでいるんだろう。
先ほどから同じ街並みを見ている。
同じ風景に見飽きた。六花はもう反応がない。しがみついているだけ。
六花といえば……。今日の六花はおかしかった。
やけに俺に優待状を渡してくれたし、夕方の時のバッタの件もあるし、俺が元気と聞くと変な態度を取ったり、弁当の時だって変だった。いつも六花は変だけど、今日の変はあまり好ましくなかったな。
そういえば封印の話で。俺の趣味の合わないことから人を冷めた目で見るようになったことを思い出したあのとき。俺はあのとき語らなかった何か重大なことを忘れている気がする。その記憶は探っても出てこない。心がムカムカする理不尽な何かだった。何だったのか今は思い出せない。探せばあるかもしれないけど上手く出ない。そう考えているとその思考自体怒りに満ちてくる。体が思考のオーバーヒートへの対処を求めていた。
あ、と気が付くと結構進んでいた。ぼーっと自転車を漕いでいると時間と作業があっという間に過ぎていったのが嬉しい。
さて確認しよう。目的地のあの場所まで行くには例の大きな川を渡る必要がある。そうこの前偶然学んだ。
突発的に飛び出したけど、どこかは分からないが方角的に合っているはずだ。大きい川だから確認しなくても分かる、初めてから2回目に行く場所。でも位置を確かめる術もない。
そろそろ例の川が見えてもいいはずなのに……ボヤっと黒く見える遠くの先に何かが。
道にしてはずいぶん盛り上がっている。あのへんな奴。
あの坂は?
あの案内標識の位置…….。
あれは………….。
間違いない!
俺の行きたかった例の川だ!
間違いない!会える!会えるよ!
よし!あの川の橋を横に移って、以前行った橋の辺りにある、緑色の看板を見つければゴールは寸前だ!!
やった!ついに行けるんだ!
目からは一瞬で届くけど、肝心の自転車が重いし、背中汗びっしょりだし、肉が痛いし、もう疲れた。
でも六花と話すことがあったんだよな。使命忘れてない。今日の使命だけは俺が死んでも果たしたいぐらい極めて重要なんだ。
ラストスパートだ!!駆け上がれ!!!
俺はこのまっすぐな道路を車輪で踏みつけるべく、左側の道路を超重量で踏んで、自分でも火事場のバカ力を出しているのが分かる漕ぎまわしのスピードフル回転で、余った体力を全力投資する!
あと3/4……半分。頑張れ俺!六花のために!今後につなげるために!横に並ぶ電柱の大きさの変化を頼りにして。路上に誰もいないのが幸いだな!あと1/4……。くそっ、あとちょっと!真っ黒の中にうっすらした標識の文字が段々克明になってきた!信号機でもうすぐ!はぁ……はぁ……はぁ…….!
見えてきた!
あの坂だ!
坂の具体的詳細が目に見えてきた!ここの坂を上がればいいんだな!きつそう……。
全力で!これで燃え尽きても構わない!ゴールが目の前にある!!
走り出したときからずっと全力で行っていたものだから、足がチクチク痛い!その上呼吸もしずらい。でも休もうなんて情けない姿六花に見せたくない!!
ついに来る!あれは試練なんだ!俺はここを登れるか試されているんだ!
あの坂に、いざ!


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