六花「勇太をなんとしてでも独占したい!」
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44: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:13:54.05 ID:6rZ5mY140
そのぽっかりと空いた夜空にスライドして焦燥と不安が俺を襲う。大丈夫だよな……。
六花「空」
んっ?
六花「大きい」
勇太「うん」
見渡すと、夜空の深淵に溶け込んだ星の光がどういう理屈か青白く光っている。
なぜ宇宙は黒いのにその中を蒼く光っていているか不思議で綺麗だと思う。
この光は相対性理論によると今見えている光はすでにその惑星にいないという驚愕した、現実でもファンタジーに近いまだ知らなかった奇跡の魔法。

六花「この世界」

勇太「ん?」

六花「この世界」

ずっと黙ったままだった。何も出ない。
この世界がどうした……?
反応がない。ただじっと星空を見上げる。


もしかして……

これが答え?

勇太「それが正解?」

六花「……。うん」

一気に不安が溶けた。肩の盛り上がりが失せる。少なくとも対人面でやられたわけじゃなくてよかった。ほっと安堵感が白い雲になって夜空に溶ける。うまく答えに導けなくて不穏のまま帰るってことを想定していたから嬉しい気持ちでいっぱいだ。勝利の歓喜と未解決の不安で俺の精神は壊れかけている。これだけ人の話に危機感を感じたのは、六花との告白する勇気より何も勝っていなかった。しかしまた疑問が生じる。世界ってなんだよ。この世界か?日本か?ヨーロッパか?あの世界のことを意味しているんだよな。地球のマップを広げたやつという解釈で良いんだよな。世界と六花って想像の天秤が合わなさすぎる。意味が分からない。何かされたって何がされたんだよ。第一動かないんじゃないか。
勇太「空……世界?」
六花はオーバー表現でゆっくりとうなずいた。それが根幹であると俺にもわからせるように。
勇太「尋ねるけど、これが悩み?」
うん、と頷かれた。
勇太「ごめん。長年付き合ってきて思うんだけど、お前の意図が分からない」
六花「そう……」
なぜそんな悲しそうな顔をするんだよ……。

六花は一瞬笑顔になっていた。俺はこの瞬間を逃さなかった。
六花「ゆうたは、こういうの経験したことない?」

出口を求められた。嬉しかった。
でも。
まるっきり分からない。質問も質問の意図も分からないと理解できないほうが正常だ。さっきから意味不明の質問されているが、どうしたら戻るのか。
勇太「ごめん。ない」
六花「やっぱり……私一人だけなのかな……。でもそれだと仮定が違うから……えっと……」
辛そうだ。助けなきゃ。
勇太「もしよければ、話にのってあげようか」
六花「それで解決するの?」
勇太「いや……」
六花「ゆうたじゃ……。これは確定だと思う」
勇太「すまん」
六花「あ、ごめん。攻撃的だった。ごめんね」
勇太「いや真実を捕まえるとか云々なしでさ、六花の思うとおりにならないかもだけど、でもそんな顔が嫌なんだよ。元気だったあの頃の顔がまた見てみたいな。何度でもいうぞ。愚痴なら受け入れるぞ。彼氏の役目だからな」
六花「ん……。あ、でも無理だよ」
勇太「何があった?」
六花「話せない。言いたいけど」
勇太「俺は待っているから。いつでも話していいぞ。もしかして女性の話だった?」
六花「違う。安心して。むしろゆうたに話したかった」
勇太「あ、えっと、うん。ありがとな」
照れるなあ。信頼されてたんだ俺。
六花「それに、あの……そんなに気を遣わなくていいから」
勇太「今のお前じゃ……。そうか、気を遣うか……」
六花から気を遣うって。お前は確か、そんなやつじゃなかったよな。そんな言葉なんて俺に一言も出なかった。せめて一週間前は違ったけど。よし、質問事項は固まった。六花を刺激しないやつ。


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