6:名無しNIPPER[saga]
2017/11/21(火) 20:00:06.70 ID:tuTmdYX90
◇◇◇
「――概要は以上よ。今回は積雪地での作戦になるから、各自、モーション・マネージャの確認をしておくように……ってあたりで、どんなもんでござんしょ?」
「上出来だ、少尉。この調子で頼む」
7:名無しNIPPER[saga]
2017/11/21(火) 20:01:08.29 ID:tuTmdYX90
◇◇◇
ソビエトの軍港で、ルツとトージョは自分たちがここまで乗ってきた船をぼんやりと眺めていた。
いつものタンカー船――ではなく、ソ連軍の輸送艦である。どういうコネを使ったのか、ここまで運んでもらったのだ。
8:名無しNIPPER[saga]
2017/11/21(火) 20:01:39.92 ID:tuTmdYX90
「じゃあ俺らの船に積んであったあれはでっけぇプラモデルか何かか?」
「商売に私情は挟まないだろうよ。ココさん個人の問題として、って話さ」
「さー、考えたこともねえけど……なんか根拠でもあんの?」
9:名無しNIPPER[saga]
2017/11/21(火) 20:02:23.01 ID:tuTmdYX90
◇◇◇
バリッ――と、カロリーメイトの箱を破る音が響く。
強襲揚陸潜水艦<トゥアハー・デ・ダナン>の操縦士控室。そこには今回の作戦に参加するSRTメンバーが集い、最後の休息を取っているところだった。
10:名無しNIPPER[saga]
2017/11/21(火) 20:02:50.07 ID:tuTmdYX90
「ったく……遊ぶなとは言わんが、程度をわきまえろ、程度を」
「イエス・サー……」
11:名無しNIPPER[saga]
2017/11/21(火) 20:03:39.62 ID:tuTmdYX90
◇◇◇
一週間後、ココとその私兵たちはソ連の山中にある寒村に滞在していた。
天候のいい時期などにはスキー客や登山客も訪れるらしいが、生憎といまは吹雪が続き、陸の孤島と化している。
12:名無しNIPPER[saga]
2017/11/21(火) 20:04:05.89 ID:tuTmdYX90
「映画なんかだと、ASはパイロットの四肢の動きだけで動かしているように見えるけど、実際はそうじゃない。
セミ・マスタースレイブ方式が採用されているのは確かだけどね。それだけじゃあまともに動けないのさ。
実際のところは、いくつものパターン化されたデータを連動させて、初めてまともに稼働できるってくらいでね」
13:名無しNIPPER[saga]
2017/11/21(火) 20:04:48.60 ID:tuTmdYX90
◇◇◇
北極海。ソ連北西部沿岸。凍てつく海の底に、作戦行動中の<トゥアハー・デ・ダナン>は待機していた。
「情報部より入電。標的が動き出したとのことです」
14:名無しNIPPER[saga]
2017/11/21(火) 20:05:15.68 ID:tuTmdYX90
テッサの呟きに、意味を図りかねたマデューカスが疑問符を浮かべる。
まさかこの少女が『なんでこんな悪いことするんでしょう。わたし悲しいです。くすん』などというセンチメンタルな台詞を口にするわけもない。
15:名無しNIPPER[saga]
2017/11/21(火) 20:06:25.02 ID:tuTmdYX90
◇◇◇
雪山の道なき道を、雪上車が走っていく。
時刻は昼と夕刻の合間というところだったが、空には厚い雲がかかり、もはや見慣れ過ぎた降雪が始まっていた。
16:名無しNIPPER[saga]
2017/11/21(火) 20:06:52.45 ID:tuTmdYX90
「勝算はあるのかもしれないけどよ、そこまですることかね……?
ココさんのことは信頼してるが、どうしてこんなに拘るのかが分からんのよ」
「俺だって分かりませんよ。お嬢がなに考えてるかなんて……」
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