30: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:04:57.72 ID:4lJng8t70
ゴロウは新しくパートナーになったポケモンたちを紹介もした。
最初、両親とポケモン達との間には隔たりがあった。
しかし、1週間が経つ頃には慣れた。ひと月が経つと、ポケモンたちの方から父と母にすり寄っていった。ソファに座って一緒にテレビを見た。
31: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:05:31.59 ID:4lJng8t70
ゴロウはジョバンニと再会した。
彼は相変わらず変な格好で回っていた。ゴロウは懐かしさで笑った。
皆にしたように、旅の話をした。
32: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:05:58.97 ID:4lJng8t70
「関係ありませんよ〜。スクールは『ポケモンバトル』だけを学ぶ場所ではありません。『ポケモンとの付き合い方』を学ぶところで〜す」
「もちろんバトルも学びます。しかし、ポケモンはバトルをするだけの生き物でもありません〜」
「家族として、友人として、人間の手助けをしてくれる存在として、コンテストで輝く主役として―――ポケモンはかけがえのない存在なので〜す」
33: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:06:24.76 ID:4lJng8t70
ゴロウはジョバンニに連絡をした。
「あの話、引き受けさせていただきます」
ジョバンニは喜んだ。
34: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:06:57.75 ID:4lJng8t70
トレーナーズスクールの小さなバトル場には多くの人が集まった。
チャンピオンであるコトネへの注目だ。
教師や生徒はもちろんのこと、スクールへの入学を考えている小さな子や、噂を聞き付けた彼女のファンまでが観客席に腰をおろした。もちろん、ゴロウの両親や友人もいた。
35: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:07:24.57 ID:4lJng8t70
ジョバンニに「そろそろです」と声をかけられた。
陽が落ちてきた。バトル場に照明が灯った。ライトがまぶしい。
ゴロウとコトネは向き合った。
36: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:07:56.53 ID:4lJng8t70
勝てるわけはなかった。
コトネはポケモンバトルの頂点で日々、切磋琢磨している。
チャンピオンの看板を背負いながら、その座を狙うライバルと身を削りあうようにして競っているのだろう。頂であぐらをかいているわけではない。
37: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:08:37.72 ID:4lJng8t70
力の差は歴然だった。
しかし、コトネは攻め切れていなかった。
勝負の流れはゴロウにあると認めた。
38: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:09:10.29 ID:4lJng8t70
厄介なのはヌオーだった。
トゲキッスの『でんじは』はヌオーには効かない。
バンギラスは相性が不利な上、砂嵐でのダメージもない。
オーダイルの水技は『ちょすい』の特性で吸収されてしまう。
39: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:09:42.11 ID:4lJng8t70
(「キミのヌオーはカントーにはいないポケモンでね。どうだい? 私のサンダースと交換しないかい?」)
ゴロウはあの申し出を断っていた。
40: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:10:09.68 ID:4lJng8t70
「あの兄ちゃん、詰んだね」
観戦していたコンタの後ろから声が聞こえた。知らない男だ。
コンタは反射的に腹を立てた。
41: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:10:40.00 ID:4lJng8t70
ゴロウはコトネを睨み、微笑んだ。
ボールを投げた。
コトネはゴロウを睨み、微笑んだ。
ボールを投げた。
42: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:11:16.55 ID:4lJng8t70
誰がどう見ても結果は明白だった。
「ラッタが勝てるわけがない」
観客席からまばらに人が立ち上がり始めた。興奮からではない。結果の見えた試合に興味を無くしたからだ。
43: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:11:48.17 ID:4lJng8t70
2人は互いの顔を見据えていた。
周囲の雑音が聞こえなくなっていた。
時間が止まったように感じていた。
44: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:12:14.66 ID:4lJng8t70
ゴロウにはオーダイルが突っ込んできたのが見えた。
スローモーションのように一挙一動をとらえることができる。
彼はラッタの背中に声をかけた。
45: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:12:52.39 ID:4lJng8t70
エピローグ
ゴロウが教師を始めてから1年が経った。
彼は生徒とポケモンに毎日、向き合っている。
まだ慣れないが、充実した仕事だ。子供たちには「もう一回、チャンピオンと合わせて!」としばしばせがまれる。
46: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:13:22.25 ID:4lJng8t70
遠くから生徒が手を振りながら駆けてきた。
「おーい、先生! そのコラッタ捕まえておいて!」
「僕の手持ちにしたいんだ!」
47: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:15:04.50 ID:4lJng8t70
以上です
お読みいただきありがとうございました
1年位前に書いて、メモに残っていたものです
題材はポケモンだけど、こんな真面目なSSも書いてたんだなぁ…(遠い目)
48:名無しNIPPER[sage]
2017/09/29(金) 21:36:13.22 ID:gtV9BurKo
乙
才能もだけどなんだかんだ強いポケモン弱いポケモンあるよなぁ
主人公は乗り換えなかっただけ偉い
49:名無しNIPPER[sage]
2017/09/30(土) 02:25:16.64 ID:Sgz56xn40
コトネの手持ちェ…
好きなポケモンで頑張らなかったのかな?
50:名無しNIPPER[sage]
2017/10/03(火) 05:36:13.44 ID:QTI9rdjeo
乙
中々心にきたで
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