42: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:11:16.55 ID:4lJng8t70
誰がどう見ても結果は明白だった。
「ラッタが勝てるわけがない」
観客席からまばらに人が立ち上がり始めた。興奮からではない。結果の見えた試合に興味を無くしたからだ。
「混む前に帰ろう」
「いい試合だったよ」
「コトネにはバンギラスも控えている。もう終わりさ」
相性がいいわけでもなかった。
体格にも差があった。
オーダイルは自他ともに認めるコトネのエースポケモンで、公式戦で敗北した記録は数えるほどしかない。
ラッタは水ポケモンに有効な技を覚えることはできない。
オーダイルは格闘技である『ばかぢから』を覚えている。
勝負は気合いや運だけではどうにもならないことがある。
それが現実だ。
「頑張れ!」
両親と友人たちは叫んだ。しかし、彼らも薄々気が付いていた。
ゴロウは負ける。
残念だ。
後で慰めて笑ってやろう、と考えていた。
素人目にも勝負の行方は見えていた。
―――しかし、経験豊富なはずの2人にだけは勝負の行方が見えていなかった。
50Res/40.89 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20