1: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:49:12.75 ID:4lJng8t70
「ゴロウは父さんよりもポケモンが上手だな」
「きっといいトレーナーになれるぞ」
ゴロウがトレーナーズスクールに通うことになったのは、父の言葉を真に受けたからだった。
ゴロウは奮起した。
ジムリーダーではなく、四天王のその先、チャンピオンを目標にした。
彼は努力を始めた。相棒のコラッタと共に。
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2: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:49:55.50 ID:4lJng8t70
キキョウシティのトレーナーズスクールに入塾したばかりの頃、ゴロウの成績は平凡だった。
ただ彼は落ち込まなかった。
授業を真面目に受け、予習・復習もきっちりこなした。
3: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:50:26.93 ID:4lJng8t70
コンタという少年が唯一ライバルだった。
彼はイワーク(ブルブルという名前だった)を持っていた。
ゴロウは初めのうちは負けていた。『たいあたり』や『かみつく』では歯が立たない。
4: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:51:04.42 ID:4lJng8t70
ゴロウはますますポケモンにのめり込んだ。
ゴロウは努力し続けた。クラスで敵なしになっても変わらなかった。
男子には一目置かれていたし、女子に人気もあった。
5: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:51:44.60 ID:4lJng8t70
キキョウシティに桜が舞い落ちる季節になった。
トレーナーズスクールに新入生が入ってきた。
変わったおさげの子だ。マッシュルームのような変な帽子をかぶっている。
6: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:52:22.61 ID:4lJng8t70
放課後、彼はさっそく勝負を挑んだ。
「さっそく勝負しようぜ。俺はゴロウ。よろしくな」
「ええ。こちらこそ」
7: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:52:55.57 ID:4lJng8t70
コトネはワニノコを繰り出してきた。
ワニノコは水タイプ。コラッタとの相性は普通だ。
これなら負けることはない。ゴロウは確信した。全力で迎え撃った。
8: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:53:24.17 ID:4lJng8t70
「やったぁ! アリゲイツに進化したわ!」
「やったね、コトネちゃん」
コトネのワニノコは進化した。アリゲイツだ。
9: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:53:50.17 ID:4lJng8t70
夏が始まる前にコンタの手持ちが変わった。
イワークがマダツボミになっていたのだ。
「コンタ。お前、イワークはどうしたんだよ」
10: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:54:18.69 ID:4lJng8t70
夏期講習の日。トキワシティにあるトレーナーズハウスからヒカルという特別講師が来てくれた。
ゴロウは興奮した。テレビで見たことがあった。
バクフ―ン、オーダイル、メガニウムの3体を使いこなす一流トレーナーだ。
11: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:54:53.31 ID:4lJng8t70
ゴロウは自分の中で「何が悪かったのか」と自問自答していた。他の生徒の勝負は見ていなかった。そうして1日が終わった。
ゴロウは充実した1日を過ごせたと思った。いい経験だ。いつか絶対倒してやる。心に誓った。
もう日が暮れていた。帰り道、ゴロウは忘れ物をしたことに気が付いた。
12: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:55:35.50 ID:4lJng8t70
夏の間もゴロウはコラッタと一緒にトレーニングを続けた。
彼にはそれしかやることがなかった。トレーナーとしての勉強も続けた。
キキョウシティに立ち寄ったトレーナーらしき人を見つけると、声をかけ、勝負を挑んだ。大人でも例外なく、目が合ったら、片っ端から勝負した。
13: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:56:07.12 ID:4lJng8t70
ゴロウはコトネと仲はよかった。気が合った。
いい奴だ、とゴロウは認めていた。
彼女は努力をする。
14: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:56:32.98 ID:4lJng8t70
その日の勝負は長引いた。
ゴロウのコラッタは勝負が始まった途端、ラッタヘ進化したのだ。
わずか1年でラッタヘ進化したのは、たゆまないトレーニングの積み重ねがあったからだ。
15: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:57:00.51 ID:4lJng8t70
コトネは進化したラッタを冷静に見ていた。
少しも動じなかった。
困惑するアリゲイツに「落ち着いて」と言い、微笑んだ。
16: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:57:32.95 ID:4lJng8t70
コトネはラッタのスピードを見極めていた。
ラッタはアリゲイツよりずっと素早い。
それを認めた上で、「勝てる手」をいくつか考えた。
17: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:58:17.56 ID:4lJng8t70
ゴロウは罠にようやく気が付いた。
「ラッタ!! 離れろ!」
もう遅かった。コトネは鋭く指示した。
18: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:58:50.79 ID:4lJng8t70
ポケモンの治療を終えるとゴロウはコトネと握手した。
彼はコトネに手を振って見送った。
「じゃあな。すぐに追いついてやるから!」
19: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:59:27.49 ID:4lJng8t70
コトネと別れてから半年後。ゴロウは旅に出た。
スクール自体よりも多くの勝負を重ねた。
手持ちは増えた。ラッタの他にアーボとヌオーをゲットした。
20: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:59:53.27 ID:4lJng8t70
ある宿でゴロウはテレビを見ていた。ポケモンリーグの開催だ。
64人のトーナメントが行われる。
優勝者、準優勝者は四天王との総当たり戦参加の権利が与えられる。
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