16: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:57:32.95 ID:4lJng8t70
コトネはラッタのスピードを見極めていた。
ラッタはアリゲイツよりずっと素早い。
それを認めた上で、「勝てる手」をいくつか考えた。
アリゲイツがスピードに翻弄さえしなければ怖くはない。目を切らさず、組み合ってしまえば最後には勝てる。
アリゲイツの「強み」を活かすのだ。
「アリゲイツ。その場から動かないで、ラッタから目を切らないようにしていなさい」
アリゲイツはコトネを信じた。
ラッタの方がレベルは高かった。戦闘経験も上だ。
トレーナーなしで戦えばアリゲイツは十中八九負けるだろう。
逆に言えば、トレーナーの差が勝負を決めた。
アリゲイツはラッタと取っ組み合った。
じりじりと両者の体力は削られていった。
ラッタの方が押しているように見えた。
誰もが「奇跡」を信じた。
すなわち、これまで負け続けてきたラッタの勝利だ。
一方、コトネは静かにその瞬間を待っていた。
ゴロウはそれに気が付かない。
「頑張れ」と力んでいる。
その時が来るとコトネはゴロウと一瞬目を合わせた。
悲しそうに笑った。
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