13: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 17:56:07.12 ID:4lJng8t70
ゴロウはコトネと仲はよかった。気が合った。
いい奴だ、とゴロウは認めていた。
彼女は努力をする。
ポケモンを心から愛している。
友人のことも考える。
間違いなく「いい奴」なのだ。
ただ、気に食わないことがあった。コトネはゴロウの向上心について触れたことがない。触れることを避けているのだ。
ゴロウは薄々気が付いていた。
コトネはゴロウのことを気の毒に思っていた。
ゴロウもコトネも、人一倍努力している。
ただ、コトネにしかないものがあった。たくさんだ。
彼女はポケモンに懐かれる。
バトルで慌てることもない。
指示が的確だ。
多くの人を引き付ける魅力がある。
男女関わらず、友人になれる。
行動力も勇気もある。
誰もが彼女のようになれたらいいなと薄々思っている。
ゴロウにも才能はあった。が、残念ながら、突き詰めても「優秀」の域は出なかった。
彼は「特別」や「天才」、「異端」ではない。
努力の果てに行きつくのは「秀才」しかないのだ。
コトネはそれに気が付いていた。自分にはセンスがある。ゴロウにはセンスが欠けている、と。
だが、友人であるゴロウに言うことなどできなかった。気が付いてしまった自分が嫌だった。
ただ、どうすることもできないことだった。
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