38: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:09:10.29 ID:4lJng8t70
厄介なのはヌオーだった。
トゲキッスの『でんじは』はヌオーには効かない。
バンギラスは相性が不利な上、砂嵐でのダメージもない。
オーダイルの水技は『ちょすい』の特性で吸収されてしまう。
今のメンバーに対する天敵と言えた。
ゴロウの指示が悪ければ、力押しで乗り切れるはずだった。
しかし、そういう状況に運ばせてくれない戦い方をされた。
トゲキッスで『エアスラッシュ』を連打しようとしたが、『あくび』でテンポを狂わされた。
ポケモンの入れ替えのスキに『れいとうパンチ』や『アクアテール』を軸にした接近戦に持ち込まれた。
レベルの差がある。バンギラスとオーダイルは戦闘不能になるほどのダメージは受けなかった。ただ、流れが悪くなった。
コトネは深呼吸した。
「大丈夫。有利なのはこっちだ」
彼女は呟いた。
トレーナーは絶対に動揺してはいけない。
自分のポケモンが最も輝くことができるように考え、指示すること。
それが自分の仕事だ。
ヌオーの体力もかなり削れていた。コトネは一気に攻め込んだ。
トゲキッスの『エアスラッシュ』がまともにヒットし、ヌオーは怯んだ。『はどうだん』で残った体力を確実に削りとった。
ヌオーが倒れた。
コトネはゴロウを見た。
「ありがとう、ヌオー」
ゴロウは動揺していない。表情は穏やかだった。
「お前を手離さなくてよかった」
と、ゴロウの声が聞こえた。
コトネには何のことかわからなかった。
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