33: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:06:24.76 ID:4lJng8t70
ゴロウはジョバンニに連絡をした。
「あの話、引き受けさせていただきます」
ジョバンニは喜んだ。
ジョバンニとの電話を切った。
ゴロウはそのままポケギアを操作し、懐かしい番号をプッシュした。
電話は間もなく繋がった。
「なあ、俺、トレーナー引退するんだけどさ、最後の勝負に付き合ってくれない? 最後はお前に勝ってスッキリしたいんだ」
ゴロウは断られるかと思った。
彼女はたまにメディアにも出るようになっていた。
忙しいはずだ。
非公式の試合など受け入れてくれるはずがない。
頭のどこかでゴロウはそう思っていた。
しかし、彼女は以前と変わらない口ぶりで返事をした。
「いいよ。やろう! 絶対行く!」
コトネは電話越しに楽しげな声をあげた。
ゴロウは思わず相好を崩した。
「あ、でも、ちょっといいかな」
「何? あ、もしかして、時間ない?」
「違うって」
「―――私、勝負は絶対手加減しないけど、いいの? ゴロウ?」
コトネがニヤリと笑う顔が想像できた。挑発的な言いぶりだ。
「当たり前だ。全力で俺も倒しに行くからな!」
ゴロウは手に力が入った。
「覚悟しとけよ、チャンピオン!」
ゴロウは電話を切った。
3年が経っていた。
コトネはカントー・ジョウト地方の現役のチャンピオンだった。
最強のトレーナーだ。
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