34: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/09/29(金) 18:06:57.75 ID:4lJng8t70
トレーナーズスクールの小さなバトル場には多くの人が集まった。
チャンピオンであるコトネへの注目だ。
教師や生徒はもちろんのこと、スクールへの入学を考えている小さな子や、噂を聞き付けた彼女のファンまでが観客席に腰をおろした。もちろん、ゴロウの両親や友人もいた。
「チャンピオン! がんばれー!」
「コトネさーん! いつも応援してまーす」
「お母さん。本物のチャンピオンだよ!」
話題はコトネのことばかりだ。
試合前に集まったとき、「ゴロウの引退試合なのに」とコトネと旧友たちは苦笑した。
それを聞いてゴロウは鼻で笑った。
「逆に考えてみろよ。これはチャンスだ」
「チャンス?」
「俺が勝てば、『チャンピオンに勝った男』として注目される―――ついでにコトネに恥をかかせることもできるだろ?」
「あんたって、サイテー」コトネを含めた女性陣は笑った。
「いいぞ、その意気だゴロウ!」男衆は拍手喝采だった。
「任せろ」
「さすがゴロウ、頼もしい」
「コトネちゃん。あんな馬鹿叩きのめしちゃって」
「もちろん。子供たちの前で、新任教師に恥かかせてやる」
「お前の方が最低じゃん!」
皆が笑った。
50Res/40.89 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20