33:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:16:44.66 ID:+EtVRVLso
〜
ちゅんちゅん……
34:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:17:13.78 ID:+EtVRVLso
誰もいないテーブルを眺める。去年はここに、せっせと勉強する櫻子の姿があった。
ここで一緒に宿題をした。一緒にごはんを食べた。櫻子はもくもくと頑張っていたけど、話しかければいつだって答えてくれた。
花子の友達の話も聞いてくれた。櫻子の学校の話もしてくれた。ひま姉との昔話に花を咲かせた。撫子お姉ちゃんに一緒に電話をかけたりもした。
35:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:17:46.15 ID:+EtVRVLso
花子「…………」
時計を見ると、もう起きた時からだいぶ経っていた。ぼーっとしているだけで時間はどんどん過ぎていく。
36:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:18:46.52 ID:+EtVRVLso
〜
*
櫻子とどこか遠くに出かけるのはどれくらいぶりだろう。
37:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:19:16.88 ID:+EtVRVLso
向日葵「何でも相談しなさいな。大学でもそんな感じで説明聞いてたら、せっかくこうして来てるのにほとんど頭に入らないですわよ?」
櫻子「…………」
向日葵「……どうしたの? 大学のことで不安があるとか?」
38:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:19:44.52 ID:+EtVRVLso
櫻子「花子、ってさ……」
向日葵「?」
櫻子「ほんと……いい子だよね」
39:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:20:56.47 ID:+EtVRVLso
〜
*
花子「……?」
40:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:21:24.36 ID:+EtVRVLso
じりじりと暑い空の下、お姉さんはみるみる元気をなくしていった。
ごまかすことはできないと何となくわかったのか、急にさびしそうな顔になった。
41:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:22:12.20 ID:+EtVRVLso
〜
近くにあった公園の日陰のベンチで、お姉さんと花子は並んで座った。
「ちょっと待っててね」と言うと、自販機でつめたいお茶を買ってきてくれた。走った後でものすごく喉が渇いていたので、ありがたく受け取ってすぐに飲む。
42:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:22:40.48 ID:+EtVRVLso
「やっぱりすごいね、櫻子って……そんなに大学に行きたかったんだぁ」
花子「え?」
「だって、そのために転校しちゃったんだもんね? うちの学校じゃレベルの高いところは目指せないから……だから転校したんだよね、きっと」
43:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:23:18.67 ID:+EtVRVLso
花子「お姉さんのこと……櫻子もきっと大切に思ってます。櫻子は友達のことを大切にする人だから……」
「そうなんだ……でも、じゃあなんで……なんで櫻子はいなくなっちゃったのかなぁ……」
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