41:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:22:12.20 ID:+EtVRVLso
〜
近くにあった公園の日陰のベンチで、お姉さんと花子は並んで座った。
「ちょっと待っててね」と言うと、自販機でつめたいお茶を買ってきてくれた。走った後でものすごく喉が渇いていたので、ありがたく受け取ってすぐに飲む。
花子「…………」ふぅ
「ふふ、まさか花子ちゃんが来てくれるなんて思わなかった」
花子「えっ……?」
「やっぱり櫻子の妹なんだねぇ。そういうところ、すごく似てると思う」
花子「…………」
この人と一対一で話すのはもちろん初めてだ。
櫻子があんな調子だから、この人のことはよく知らされていない。どんな人なのかも正直よくわかってない。
ただ、あんな櫻子のことでも好きでいてくれている人。それだけは間違いなかった。
花子「櫻子と……何があったんですか?」
「えっ……」
花子「ご、ごめんなさい。でも……気になって」
「…………」
花子「昨日、お姉さんが櫻子に送ったLINEを……偶然、見ちゃったんです……」
「!」
お姉さんはあからさまにぎくっと反応した。でもここで怖がっちゃいけない。本当のことをきちんと話さなくちゃ。
花子「それで花子も昨日……櫻子と喧嘩しちゃって。なんで櫻子がちゃんとお姉さんに向き合ってあげないのかが、わからなくて……」
「……そうだったんだ。知ってたんだね」
花子「ごめんなさい……!」
「あ、謝らないで? ほんと……うん、悪いのは私だからさ」
お姉さんは小さく手を振って自重すると、うつむきがちに話してくれた。
「櫻子は……今日どこに?」
花子「えっと、大学のおーぷんきゃんぱすってやつに朝から行ってて……」
「ああそっか……! 櫻子頭いいもんね。大学行くんだ……そっかぁ」
「櫻子頭いいもんね」というひどく聞き慣れない言葉がひっかかる。
けれどこのお姉さんの学校で、櫻子はトップの成績にまでのぼりつめたのだから、この人の中ではそういう印象なのだろう。
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