40:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:21:24.36 ID:+EtVRVLso
じりじりと暑い空の下、お姉さんはみるみる元気をなくしていった。
ごまかすことはできないと何となくわかったのか、急にさびしそうな顔になった。
「……ごめんね、ありがとう……また来ます」とぼとぼ
花子(あっ……)
作り笑顔でそういうと、くるりと踵を返して行ってしまった。
寂しそうな小さい背中を見送る。
あのお姉さんはどんな気持ちでここまで来たんだろう。櫻子とお姉さんは、今どんな状況にあるんだろう。
家に入って、かるく溶けかけたアイスを冷凍庫にぱたんとしまい、先ほどの寂しそうな笑顔を想い浮かべる。
[ごめん]
[やっぱり、会いたいよ]
[花火大会の日、休みとれたよ]
[去年みたいに、一緒に行けないかな?]
切ない笑顔と一緒に、昨日のLINEメッセージまで脳裏をよぎった。
こうして会えるかもわからないのに訪ねてきてしまうくらいだ。やっぱりそのくらい……櫻子に会いたいんだ。それくらい二人は会えてないんだ。
花子(今日出かけちゃうことくらい……教えておいてあげなよ……っ!)
会いたいなら、予定を合わせて会えばいいだけ。あのお姉さんはそれすらもできていないんだろう。だからこうして強硬手段に出てしまったんだ。
「櫻子は何も……」と言ったときの、悲しげな笑顔がフラッシュバックする。
花子「っ……!」だっ
気づけば花子は、つっかけを履いて外に走り出していた。
お姉さんが歩いて行った方向へと走る。まだ遠くまでは行ってないはず。まだ追いつけるはず。
なんとなくこっち側だろうという感覚を頼りにひた走る。
角を曲がって視界が開けると、遠くの方にあの寂しげな小さい背中があった。急いで追いかける。
花子「あ、あのっ!」たたたっ
「っ!」びくっ
花子「あの……ちょっと、いいですか……!」はぁはぁ
「は、花子ちゃん……!?///」
105Res/202.45 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20