42:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:22:40.48 ID:+EtVRVLso
「やっぱりすごいね、櫻子って……そんなに大学に行きたかったんだぁ」
花子「え?」
「だって、そのために転校しちゃったんだもんね? うちの学校じゃレベルの高いところは目指せないから……だから転校したんだよね、きっと」
花子(ち、違う気がするし……)
お姉さんの言うことに違和感を覚えた。櫻子は大学への執着はそこまでないはずだ。そんなのあまり聞いたことが無い。
転校したのは、ただひま姉のところに帰りたいからで……
花子(あっ……!!)はっ
もしかして櫻子は……ひま姉の存在自体、この人に教えていないのだろうか。
「どこの大学目指してるんだろ? もしも遠くに行くんだとしたら、私もその近くでお仕事探そうかなー、なんちゃって……」
花子「っ……」
「花子ちゃん、わかる?」
花子「いや、櫻子は……そこまで詳しいことは……」
「ふふ、そっかぁ」
お姉さんの物憂げな笑顔が見ていられない。
この人は、櫻子のことを知らなすぎる。
知らないのに、教えてもらえないのに……こんなに櫻子のことが好きなんだ。
「……櫻子からはね、あんまり連絡ないんだ」
花子「!」
「昔は些細なことでもLINEで話し合ったり、お休みの日はたまーに遊んだりしたんだけど……転校してからはもうめっきり。向こうから話しかけてくれたことは全然ない。たまに『元気?』って聞くと、『元気だよ』って返してくれるくらいで」
花子「…………」
「なんでだろう……やっぱり私が、詰め寄りすぎたからかな……気持ち悪いって、思われちゃったのかな……」はぁ
花子「そ、そんなことないし!」
「えっ?」
思わず大きな声を出してしまった。お姉さんが悲しむ顔をするのが嫌で、なんとかいい表情になってほしかった。
花子「昨日、櫻子はお姉さんのことを話してたし。一年間ずっと一緒にいてくれた、仲良しの友達だって」
「さ、櫻子が!?」
花子「はい……っ」
花子がそう言ってあげると、お姉さんは顔をぱあっと輝かせて驚いた。
ああ、この楽しそうな顔……去年うちに遊びに来た時に見た、この人の元気なときの笑顔だ。
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