35:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:17:46.15 ID:+EtVRVLso
花子「…………」
時計を見ると、もう起きた時からだいぶ経っていた。ぼーっとしているだけで時間はどんどん過ぎていく。
思い切って気だるい身体をむくりと起こし、深呼吸して発想を転換させる。
そうだ、今日は櫻子がいないんだ。
こんなにせいせいする日はない。今まで櫻子がいたからできなかったようなことも、今日ならばなんでもしていいんだ。
それに今夜は撫子おねえちゃんが帰ってくる日。今日はお掃除を頑張ろうって、昨日予定を立てたのを思い出した。のんびりうかうかしていられない。
花子(……よしっ!)ぱっ
花子はぱっと思い立ち、さっそくパジャマを着替えた。
何を着ようかな、と悩んでいるとき……ふといいことを考えてしまった。今日しかできない特別なことがある。
櫻子のクローゼットを勝手に開ける。ごそごそと漁って、花子の目当ての洋服を探した。
花子(あったあった……♪)
櫻子のお洋服を取り出す。もとは撫子おねえちゃんが大切に着ていた洋服で、花子から見てもすごく可愛いと思う。
最近の櫻子はほとんど着ていない様子だから「ちょうだい」とたびたび言ってるのに、「まだ私が着られるから」と言って一向に譲ってくれない。
今日くらいは勝手に着てしまおう。帰ってくる前に元に戻せばいいだけだ。
憧れの洋服を着て、姿見の前で綺麗に整えた。スカートをひろげたり、くるりと回ったりしてみる。少しサイズは大きいかもしれないけど、そこまでの問題ではなかった。
ほーら、やっぱりこの服は櫻子が着るよりも花子が着た方が似合うんだし。
花子(お、おでかけしちゃおうかな……///)
外は暑いけど、せっかくだからどこかに出かけでもしないともったいない。近くのコンビニでアイスでも買ってこようか。
ひとたび考え始めるといろいろな “したいこと” が思い浮かんできて、なんだかわくわくしてきた。
もう一度洗面所に行って髪を梳いて綺麗に整え、外出する準備をして家を出た。忘れずにちゃんと鍵もかける。
花子だってもう、六年生なんだから。
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