【デレマス】「先輩プロデューサーが過労で倒れた」
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30: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/07(日) 01:03:40.34 ID:LHxNoXTK0
「……そう言うわけで、これからよろしく」
俺がプロデュースするアイドル全員が揃った、初顔合わせの日。
美城プロダクションのミーティングルームでユニット活動の概要を伝え、最後にそう挨拶した俺に対して、五人のメンバーはそれぞれの反応を返してきた。
31: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/07(日) 01:05:04.92 ID:LHxNoXTK0
「――だから、俺がプロデュースするから、みんな」アイツの顔がちらつく。「一緒に、がんばろう」
ほんのすこし、沈黙が流れた。
「そっか……病気じゃ、しょうがないよね」
32: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/07(日) 01:07:24.83 ID:LHxNoXTK0
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「おお」
着替えとメイクを終えてスタジオに入ってきた五人を見て、俺は声を漏らした。
春菜、ほたる、裕美の三人はユニット結成前に撮ったソロの宣材写真があり、俺も目を通している。
33: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/07(日) 01:08:52.45 ID:LHxNoXTK0
次は茜の撮影だ。
「うん、いいよ、もっとポーズに勢いつけてみようか!」
「勢いですね! こうですか!?」
34: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/07(日) 01:10:41.24 ID:LHxNoXTK0
それから日を置いて、ダンスレッスンがはじまった。
春菜、ほたる、裕美の三人は、プロダクションのアイドルイベントにバックダンサーとして参加する予定が入っている。
それに合わせて、茜と比奈もレッスンに参加し、基礎のステップから順に慣れていってもらう。
「それでは、まずは曲のあたまからやってみましょう」
35: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/07(日) 01:11:58.85 ID:LHxNoXTK0
トレーナーがこちらに歩いてくる。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です……どんな感じですか?」
36: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/07(日) 01:14:45.25 ID:LHxNoXTK0
その日以降、メンバーばらばらに数回のダンスレッスンと、合間を縫ってのボイストレーニングを経て、春菜、裕美、ほたるがバックダンサーを務めるイベントの本番の日が訪れた。
現場は中規模程度のライブステージ。エンタメ系の大規模展示会の中のイベントステージという位置づけだ。
特に出番があるわけではないが、ステージを見学させておくために、茜と比奈も現場に呼んでいる。
37: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/07(日) 01:15:27.48 ID:LHxNoXTK0
「あの人が、今日の主役なんですね!」
茜がきらきらした視線を向けていた。
「ああ、安部菜々。けっこうキャリアの長いアイドルだ」
38: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/07(日) 01:16:54.73 ID:LHxNoXTK0
「始まるぞ」
俺が短く言うと、茜と比奈も真剣な表情になった。
スタッフが出演者たちに合図をした直後、ステージと舞台袖とを隔てるカーテンを開く。
39: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/07(日) 01:18:04.40 ID:LHxNoXTK0
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「お疲れ様でしたーっ!」
イベントをトラブルなく終えた撤収中の会場に、出演者、スタッフ全員の声が響く。
これ以降はスタッフは資材の片づけへ、出番が終わったアイドルはそれぞれに解散となる。
40: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/07(日) 01:19:28.32 ID:LHxNoXTK0
「……アイドルのライブ、初めてちゃんと見たっス」
比奈が俺のとなりへと歩いてくる。
興奮しっぱなしの茜のほうを眺めながら、比奈はつづけた。
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