【デレマス】「先輩プロデューサーが過労で倒れた」
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32: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/07(日) 01:07:24.83 ID:LHxNoXTK0
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「おお」
着替えとメイクを終えてスタジオに入ってきた五人を見て、俺は声を漏らした。
春菜、ほたる、裕美の三人はユニット結成前に撮ったソロの宣材写真があり、俺も目を通している。
そのイメージと大きな差はないが、衣装も違うし、写真で見るのと実際に見るのとでは印象が違う。春菜は姿勢がよいせいか、写真よりも清楚なイメージだ。
ほたるはやや暗めのコーディネートにしているにも関わらず、スタジオの照明の効果でネガティブなイメージは払拭され繊細なイメージを得ている。
あとは表情が明るくなればより魅力を増すだろう。
裕美もドレスを身に纏うことによって、広く見せた額が動的なイメージを作り出し、コサージュもよく似合っている。
比奈はそもそも普段の姿とのギャップが大きく、衣装をまとうだけで化けるが、メイクによって一層映えた。
五人の中で最年長だからか、スタイリストも全体的に大人っぽさを強調させることを意識したようだ。
一方でヘアメイクは敢えて隙をのこし、本人の無防備さ、無頓着さを素朴な色気に転換している。
茜はというと、顔を真っ赤にして、お腹のあたりを腕で隠すように抱えていた。
スタイリストが選んだのはホットパンツとショート丈トップスのへそ出しファッションだった。
大きなリボンで長い髪を結び、髪の先はもとからの癖をさらに強調するようにアレンジしている。
本人があれだけエネルギッシュなら、順当なコーディネートだ。
「プロデューサー! その……お腹がすーすーします!」
「暖房つけるか?」
「そういうことじゃないと思うっスよ」
比奈が苦笑いした。
カメラマンによる撮影が始まってからは、基本的に俺は見ているだけだ。
俺自身もユニットのイメージをつかみ切れていないので、写真についてはカメラマンの感覚に任せている。
衣装とアイドルが映えるように撮ってもらえればいい。素人が口を出すよりいいものができあがるだろう。
春菜、ほたる、裕美の三人の撮影は、三人ともすでに経験があって順調だった。
続いて比奈の撮影に移る。
「い、痛いっス……これ以上は……無理っスよ……」
「もうちょい頑張って、もうすこし深くしたほうが一番いい角度になるから!」
「う、うぐぐぐ……これで……どうっスか……?」
カメラマンのリクエストに、比奈はポーズの腰の角度をさらに深くする。
インドア生活で運動不足なのだろう。カメラマンの指示したポーズを維持するのがものすごく辛そうだ。
「オッケー、それで笑って!」
「無理っス! 心も体も折れるっス! アタシ、スタンド使いとかじゃないっス!」
撮影が終わった頃には、比奈はチェアーでぐったりしていた。
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