【デレマス】「先輩プロデューサーが過労で倒れた」
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33: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/07(日) 01:08:52.45 ID:LHxNoXTK0
 次は茜の撮影だ。

「うん、いいよ、もっとポーズに勢いつけてみようか!」

「勢いですね! こうですか!?」

「あー実際に動いたらブレちゃうから、止まって、止まって!」

「はい!」

「でも勢いはつけて」

「はい!」

「あはは、だから動いたらブレちゃうって! あははは、じゃあもうそれでいいや、気合入れて!」

「ボンバーッ!」

「はいボンバー! あははは」

 茜のキャラクターは妙にカメラマンの笑いのツボに入ったらしい。
 素人である茜の撮影がカメラマンにとってのストレスにならなかったことが幸いだった。
 茜は撮り終わった写真を見せられながら、カメラマンからかわいいと褒められて顔を真っ赤にしてスタジオを走り回っていた。

 最後には五人そろっての写真を撮る。
 ぜひ全員眼鏡でとねだる春菜のリクエストで、眼鏡で記念撮影のように一枚。これにはなぜか俺も巻き込まれた。
 その後はアイドルだけで撮影が続いた。比奈が「若いコに囲まれて複雑な気分っス」とぼやき、茜は自分よりも年少である裕美とほたるの二人と並んだときに「もう少し背が高くなりたいです! 牛乳飲みます!」と意気込んでいた。

 撮影後は、それぞれ普段着に戻り、五人に初心者向けの一眼レフカメラを一台渡して、プロダクションの内部を使ってお互いの写真を自由に撮らせた。
 特にルールは設けずに、社内のカフェや団らんスペースでおしゃべりをしながら日常的な表情を撮る。
 先輩がやっていた手法で、アイドルたちの親睦を深めながら、キャラクターを把握するのによい手段なのだろうと俺は理解していた。

 撮影の日が終わり、プロデューサールームの俺のデスクの一角には、ユニットのアイドルたちの写真をスライドショーするデジタルフォトフレームが増えた。



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