【デレマス】「先輩プロデューサーが過労で倒れた」
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37: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/05/07(日) 01:15:27.48 ID:LHxNoXTK0
「あの人が、今日の主役なんですね!」

 茜がきらきらした視線を向けていた。

「ああ、安部菜々。けっこうキャリアの長いアイドルだ」

「あれ? あのヒト、プロダクションの中で見た気がするっス」

「カフェじゃないか? プロモーションも兼ねて働いてるって聞いた気がするな」

「カフェ……たぶんそうっス」

「そうなんですか! 何歳なんですか?」

「十七歳だ」

「え? プロデューサー、さすがに十七歳は」

「十七歳だ」俺は比奈の言葉を遮った。「安部菜々は十七歳だ」

「……了解っス」

 会話をしていると、安部菜々がこちらに歩いてくる。

「安部、菜々です! 今日はよろしくお願いします!」

 安部菜々はそう言って丁寧に深く頭を下げた。うさ耳がその動きに追従する。

「いや、俺たちはスタッフではなく、今日は見学で。美城プロダクションの新人のアイドルの現場見学なんです」

 俺は両隣に立っている茜と比奈を示す。

「日野茜です! よろしくお願いします!」

「荒木比奈っス。ステージ、がんばってくださいっス」

「そうだったんですか! 茜ちゃんに、比奈さん! これからよろしくお願いしますね! それでは!」

 安部菜々はにっこり微笑むと、待機位置へと向かって行った。

「すっごくカワイイ人でしたね!」

「オーラすごいっスね……あれが、アイドル……アタシもあんな風に、なれるんでしょーか」

 比奈のつぶやきに、俺は返事をしなかった。
 アイドルとしてきっちりキャラクターを作り、比奈たちを魅せることができる安部菜々ですら、アイドルとしてのトップ層ではない。

 ステージ上の音楽が胸を打つほどに大きくなり、スタッフがにわかに騒がしくなった。安部菜々のステージが始まる。


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