214:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:35:58.98 ID:xchiMuX50
この数ヶ月、自分なりに少しは強くなれたかなと思っていた。
しかし、世界はとても広かった。
歪な正義感であっても、それを最後まで貫き通す断固たる決意を持つ
215:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:36:26.87 ID:xchiMuX50
プルルルルル....
「なんだよ!放っておいてくれよ!」
空気を読まない電話が満の邪魔をする。
216:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:36:57.69 ID:xchiMuX50
〜大学病院〜
電話があった翌日、満はスーツに着替え、父の秘書である佐藤が寄越した
高級車に乗り込み、父が入院している大学病院に向かった。
217:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:37:24.31 ID:xchiMuX50
「社長の病気の予兆を初めて私ども幹部が認識できたのは二年前でした」
「本当に、唐突だったんです」
「会議中に激しく咳き込み、大量の血を吐き出したんです」
218:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:37:50.04 ID:xchiMuX50
「お袋も死んで、たった一人残った家族なんだぜ?」
「勘当されるようなバカ息子でも家族には変わりないだろ?」
「なぁ?!親父の頼みでも、息子に伝えるのが当然じゃないのかよ!」
219:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:38:16.53 ID:xchiMuX50
「ああ...くそ...なんで、なんでこうなるんだよ...」
「俺は、俺はッ...幸せになりたかっただけなのに...」
親子三人で漫然と、毎日を楽しく過ごしたかった。
220:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:38:47.59 ID:xchiMuX50
〜病室〜
「親父、入るよ」
ドアを閉めた満は、カーテンを開いて父が眠るベッドの前に立った。
221:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:39:17.02 ID:xchiMuX50
「親父、アンタに怒られてさ、家を出て社会を見てきたよ」
「って言っても...まぁ、俺の出来る事なんてたかが知れててさ...」
「小中高でやってきたことの繰り返ししながら、毎日バイトしてた」
222:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:39:54.87 ID:xchiMuX50
「満...お前は今、何してる?」
「バイトだよ。掛け持ちしながら殆ど毎日バイトしてる」
「なにをまた...お前は、本当にキリギリスだな...」
223:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:40:28.21 ID:xchiMuX50
「そうかぁ...あの性根の腐った満が、ここまで変わるとはなぁ...」
しみじみと呟いた父の顔から険しさが取れ、代わりに柔和な微笑みが
浮かび上がりはじめて来た。
224:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:41:09.94 ID:xchiMuX50
「親父、俺はもうアンタには会えないかも知れない」
「俺も俺で、命懸けで戦わなきゃいけないところまで追い込まれてるんだ」
「だから、最後にこうやって話せて良かったよ」
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