222:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:39:54.87 ID:xchiMuX50
「満...お前は今、何してる?」
「バイトだよ。掛け持ちしながら殆ど毎日バイトしてる」
「なにをまた...お前は、本当にキリギリスだな...」
「そんなこと、だから..勘当...されるんだ...」
「確かに、そうかもしれないね」
「だけどさ、勘当されて良かったかも知れない」
息子の一言に驚いた父は、黙ってその先を促した。
息子は、父の無言の催促に答えることにした。
「俺さ、将来は親父の会社で給料ドロボウでもいいやって思ってたんだ」
「だって憎まれる奴ほど長生きするって世間でよく言うだろ?」
「親父が生きてる限り、親父の会社は安泰だってそう思ってた」
「でも、それじゃダメだって気が付いたんだ」
「気が付くまでがすんげーしんどかったんだけどさ」
「どんなにしんどくても、腹括ってやりゃなんとかなるんだよ」
「だから、今の俺は昔と比べて強くなった。どう?凄いだろ?」
「み、満...」
数ヶ月前の神崎士郎との出会いによって、幸か不幸か満の人生は
急変を遂げた。
命懸けの戦いと、それに参加するそれぞれが叶えたい願いを持っている
ライダー達との出会い。そして、自分が力及ばずに守る事なく命を落とした
人々達の無念。
今までの自分が持ち得なかった大切な『なにか』を戦いを一つ一つ乗り
越えて手にしながら、今日まで満は生き延びてきた。
この先も生き残れるかは分からないけど、何も成し遂げられなかった
過去の自分よりかは何歩も前進できたとは思っている。
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