218:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:37:50.04 ID:xchiMuX50
「お袋も死んで、たった一人残った家族なんだぜ?」
「勘当されるようなバカ息子でも家族には変わりないだろ?」
「なぁ?!親父の頼みでも、息子に伝えるのが当然じゃないのかよ!」
だから、どうしようもないほど涙が溢れて止まらない。
血を分けた家族でありながら、結局互いに歩み寄れないままに死を迎え、
たった一人の息子である自分を一人この世に置き去りにして、もう二度と
会えない場所へと旅立つ。
そんな冷たい別離を受け入れなければならない悲しみがあっていいのか。
「申し訳ありませんでした!」
「ですが、ですが...社長は、社長は....」
「満様に自分の無様な姿を見せたくないと...」
「これ以上、満様の人生の負担になりたくないから...頼むと...」
「関係ない!そんなの関係あるかよ!」
長年父親の秘書を務めた佐藤の泣訴も、その真意も理解できる。
息子には息子の、秘書には秘書に対してかける信頼の重要度の違いだって
理解できている。
理解できているからこそ、割り切れないのだから。
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