215:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:36:26.87 ID:xchiMuX50
プルルルルル....
「なんだよ!放っておいてくれよ!」
空気を読まない電話が満の邪魔をする。
「クソが!」
怒り狂った満は電話から受話器を取り、乱暴に電話の向こうの相手に
詰め寄る。
「もしもし?どちらさまですか?」
「あ、よかった。佐野満さまですね」
「そうっすけど、どちらさまですか」
「申し遅れました。私、貴方のお父上の秘書を務めている佐藤と言います」
「あ!もしかしてしょっちゅう親父の家に来てた人ですか?」
「そうです。ああ、私の事を覚えて頂いていたんですね。満様」
かつて家に来ていた父親の秘書の事を思い出した満は、なぜ自分なんかに
佐藤が電話をかけてくるのかの検討がつかなかった。
「えっと...佐藤さん?僕に電話って、親父になんかあったんですか?」
「...はい。落ち着いて聞いていただけますか」
「...大丈夫、だと思います」
佐藤の確認に、最悪の事態を想像した満は震える手を握りしめた。
この先、何が起きようと耐えるために。
そして、その悪い予感は外れる事なく的中した。
「お父様が、倒れました。もう、長く...ありません」
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