216:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/28(金) 22:36:57.69 ID:xchiMuX50
〜大学病院〜
電話があった翌日、満はスーツに着替え、父の秘書である佐藤が寄越した
高級車に乗り込み、父が入院している大学病院に向かった。
(親父...)
二年前に家を飛び出したきり、父親とは一切の連絡を取っていない。
果たして今の父親がどのように変わっているのか?また、病室で再会
したときに、一体どのような言葉をかければいいのか?
考えも、言葉もまとまらないままに車は遂に病院に到着した。
「佐野様。目的地に到着しました」
「あっ。うん...ありがとうございます」
運転手に礼の言葉をかけた満は、入り口で待っていた佐藤と合流し、
父が入院している病室へと向かい始める。
廊下を歩き、エレベーターに乗り込み、一階から最上階へ。
「満様。ここが社長の病室です」
「そうですか...」
父がいるらしい804号室はどうやら個室らしい。
「あの、佐藤さん。親父はなんの病気で入院してるんですか?」
その言葉に、佐藤は一瞬顔を歪めた後、一言呟いた。
「末期の肺ガンです」
「そんな...肺ガンって...」
現実を受け止めきれずに、満は膝から崩れ落ちた。
「いつから、なんですか...」
「2年前から、です」
弱々しい満の瞳を見据えた佐藤は、順を追って自分の雇い主の病状の
変遷を正確に話し出した。
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