33:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 23:08:49.88 ID:qJIGiTwi0
「じゃあ、俺はまゆのとこにお見舞いに行ってくるから」
「あ、行ってらっしゃいー」
「気をつけて」
34:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 23:09:57.94 ID:qJIGiTwi0
「…紗南さん、割と気にしてたんですね」
「…うん、まあね。」
紗南は再びゲーム機を開く。
35:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 23:10:29.26 ID:qJIGiTwi0
「…ありすちゃん、なんだか機嫌がいいですね」
「そうですか?」
後ろを歩く文香に声をかけられ、振り向きながらありすは応える。
36:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 23:11:25.83 ID:qJIGiTwi0
二人はカウンターで注文を終え、席に着く。
「あの、文香さん。一緒にゲームしませんか?」
「ゲーム、ですか。どのような?」
37:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 23:11:56.12 ID:qJIGiTwi0
「文香さん…」
ありすは恥ずかしさに顔を赤らめて俯いた。
「すみません…」
38:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 23:13:03.43 ID:qJIGiTwi0
「…これから食べようって時に、失礼です」
ありすは不満そうだ、理由はそれだけではあるまい。
文香は神妙な顔をして言った。
39:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 23:14:09.76 ID:qJIGiTwi0
「えっ…?」
ありすは思わず肩から手を離し、固まった。
背後で、先ほどの男子学生が救急車を呼ぶ声が聞こえた。
見えたのはほんの一瞬だったが、ありすは今の「オレンジ色」を知っていた。
40:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 23:15:32.63 ID:qJIGiTwi0
「…っ!」
ありすは覚悟したように左の手でベルトを掴むと、ゆっくりと立ち上がった。
「……文香さん、さっき、私の笑顔が文香さんの力になるって、言いましたよね」
41:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 23:17:38.50 ID:qJIGiTwi0
「文香さん…必ず助けてあげますから」
彼女は左腰に装着されたボタンを押した。
『ステージセレクト!』
42:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 23:19:23.05 ID:qJIGiTwi0
本は再びありすに向き直ると文字のムチを放つ。
「はぁっ!」
彼女はその杖を突き出すように振った。
43:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 23:21:01.75 ID:qJIGiTwi0
(文香さんは…あの中に、何としても助け出さないと)
(いえ、ダメです。焦ったらまたさっきみたいに…冷静に観察するんです。パズルみたいに)
ありすは目を凝らし注意深く観察した。
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